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春を味わう ~ 山野草 と 山菜 ~ [山裾さんぽ]

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雪山から流れ下るも水もゆるみ、山裾のネコヤナギが花穂を伸ばす



***** 山頂付近に白い部分が残る ”五頭山” の裾野を散策する *****


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10日 午後から雨の予報が出ている。午前中は大丈夫だろうと、”五頭山(標高912m)”の裾野を散策してきた。昨年より1週間ほど早かったせいか、中腹近くまで残雪が目立っている。裾野の緑も心なしか、少なく見える。水はまだ冷たそう!


毎年必ず歩く ”五頭山裾野” の散策・・・午前の半日は楽しめそう!!



     ☆☆ 川沿いで 見かけた 山野草 ☆☆


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川に沿って大群落をつくる ”ネコノメソウ”

川から離れた山麓線は未だに交通止めの状態だが、川沿いは冷たい水が流れているにも関わらず春の訪れが早い。いつも散策は、まず川に沿って歩くことから始まる。



宜しかったら、続きをご覧ください・・・・・!!



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ネコノメソウ(猫の目草 ユキノシタ科)


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春の暖かくなった頃、川に沿った湿地には黄色と緑のコントラストの綺麗な大群落となる。上の画像、左は ”ネコノメソウ” 。右の画像は花の時期なのに、葉に黄色の部分がない。 ”マルバネコノメソウ” だろうか ・・・?



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エンレイソウ(延齢草 ユリ科)


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花、葉などの部分が”3”からなるので、学名にも「トリリウム(3を基本の数としたユリ)」と付けられている。3枚の葉、3枚の萼片、3枚の花弁で構成。雌蕊の花柱は先端が3つに分かれ、雄蕊は外側に3本、内側に3本となっている。毒草だが、薬にもなるそうだ。



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キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草 キンポウゲ科)


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山裾の雪どけは遅い。我が家の中庭では既に花が終わって葉を繁らせている。ここでは今が盛りだ。木々の葉が濃くならないうちにと、あちこちに青や白の花が目立つ。”イチリンソウ”は少なく、”キクザキイチリンソウ”が多い。



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ミヤマカタバミ(深山片喰 カタバミ科


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  ミヤマカタバミ            スミレサイシン(菫細辛 スミレ科)

ミヤマカタバミ(左)は山地の林内や林縁に群生する。葉は3枚の小葉からなり、ハート形で先端はへこむのが特徴。スミレサイシン(右)も似たような場所に、早春季植物とともに開花する。日本のスミレの仲間では最も大きな葉をつけるもので開花時には完全に開きっていないことが多い。



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エゾエンゴサク(蝦夷延胡索 ケシ科

日本海側に分布し、山地の湿った森林内や林縁部に生える。キクザキイチリンソウやエゾエンゴサクは、春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れ、翌春までは地下茎で過ごす ”早春季植物” と呼ばれるものである。



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シュンラン(春蘭 ラン科)

土筆のように茎を立ち上げてくる「春に咲く蘭(春蘭)」。葉の色と同じような花を付けるので、目立たない。花を塩漬けにしたものを祝いの席に使うことがあるという。”桜湯”は知っているが、そんなにたくさんの花を見たことがない。



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コシノコバイモ(越の小貝母 ユリ科)


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今年もこの花の群落に出会えた。小さな花で目立たない色をしているので、注意していないと見落としてしまう。それに、夏には地上部が枯れるという早春季植物なので、この時期を過ぎると見付けにくくなる。いつまでもここに残っていて欲しいと思う。



     ☆☆ 山裾の斜面では ”落葉小低木の花” がよく目立つ ☆☆

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キブシ(木五倍子 キブシ科)

花茎は垂れ下がり、それに葉が広がる前に淡黄色の花がつく。まわりにはまだ花の少ない時期だけに、かんざしのような花がよく目立つ。( ”狐のかんざし” とも呼ばれている)



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クロモジ(黒文字 クスノキ科)

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アブラチャン(油瀝青 クスノキ科)

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アブラチャンの花

クロモジもアブラチャンも同じクロモジ属で、春先に小さな黄緑色~淡黄色の花をつける。クロモジの花は葉が広がると同じ頃に咲くが、アブラチャンは葉に先だって花が咲く。クロモジの枝は緑色のすべすべした肌になり、香りもいいためか楊枝に利用される。



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ユキツバキ(雪椿 ツバキ科)

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中庭では既に花が終わろうとしているのに、山裾にはまだ雪椿が咲いている。やはりそれだけ寒いと言うことだろうか。赤い花弁の中にある黄色い雄蕊は基の方まで離れている。枝は山の斜面で雪に覆われてきたのか地面に這うように伸びている。



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モミジイチゴ(紅葉苺 バラ科)

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クサイチゴ(草苺 バラ科)

ラズベリーやブラックベリー等の栽培種がある ”キイチゴ属” の野生種が花を付けている。上の画像の ”モミジイチゴ” と ”クサイチゴ” の2種。どちらも山野には普通に見られる種類で、花はどちらも白色だが、モミジイチゴは黄色の、クサイチゴは赤色の果実となる。熟した実はどちらも美味しくいただける。



     ☆☆ 早春の大地からの贈りものをいただく ☆☆

川に沿って河原を歩くと、時期が早かったにもかかわらず山菜が目につく。

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ユリワサビ(百合山葵 アブラナ科)

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早速 ”大地の恵み” を採ることに専念する(撮る方は暫く忘れることに・・・!)。ユリワサビは日本固有種で、山地の沢や渓流そばの湿った場所に生育する。本ワサビと同様に茎や葉、花はおひたしなどにする。水洗いした後、70度くらいの熱湯をかけ、冷やしてからタッパーやビニル袋に入れ振ったり叩いたりして冷蔵庫に入れておくだけで、独特の辛みが味わえる。

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セリ(芹 セリ科)

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ミツバ(三つ葉 セリ科 食用)  ウマノミツバ(馬の三つ葉 セリ科 食用としない)

セリもミツバも普通に食卓にあがる野菜だが、やはり自然のものは香りがとても濃くて、私は大好きだ。山地日陰や川端の湿ったところ、水辺の浅瀬などに自生する。ウマノミツバはミツバとよく似ているし、ドクゼリというのもあるので、区別できないものは採らないほうがよい。



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ウワバミソウ(アカミズ イラクサ科)

山菜としては ”アカミズ” の方が名が知られているが、正式名称は ”ウワバミソウ” である。名前の由来は「ウワバミの出そうな湿った沢などに生えている」からとの解説が多い。でも、昔聞いた「ウワバミが消化を助けるために食べる」という話の方を良く覚えている。



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クサソテツ(草蘇鉄 イワデンダ科)

シダ植物のクサソテツは春に渦巻状の新芽を出す。その新芽の部分が食用になる ”こごめ” と呼ばれる。半日陰で、水はけの良い湿気がある場所に生える。各地の野山に自生しているが、栽培もされていてスーパーにも並んでいる。

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茶色の部分は前年度の葉が枯れたもの。葉はソテツの羽状葉を柔らかくしたような形で、草丈は1m近くにもなる。食用となる ”若芽” は暖かな日ざしのもとで直ぐに大きく成長するので、食べ頃に出会うことはあまりない。この日はベストだった。



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チシマザサ(千島笹 イネ科)

ササの花が咲いている。笹や竹の花は数十年に一度(或いはそれ以上)の頻度で開花し、開花後には枯れるという。この後、この辺の笹は枯れてしまうのだろうか?

ささに花が咲くと実ができるはず

この実を食べるという話を聞いたことがあるが、まだ食したことがない。


この日の収穫は、実ではなくタケノコ

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チシマザサのタケノコ(ネマガリダケ)


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ネマガリタケ

ネマガリタケは ”チシマザサ” の別名。山裾の斜面に出ているチシマザサは根元が曲がって上に向かう。稈の基部が弓状に曲がっていることからついた名だろう。

この日はまだ小さいタケノコをすこしだけいただいた。上は皮をむく前(右3本)とむいた後(左3本)の画像。この日は天ぷらにして食した。旬のタケノコは炭火焼きが一番。



☆ 大地からの美味し~い贈りものに感謝した一日でした ☆



***** お ま け  中庭の旬 15日 *****

     その1

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アケビ

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ミツバアケビの雄花雌花             アケビの雄花雌花

中庭の端に植えたアケビ・ミツバアケビの花が咲いた。小さいがとても気に入っている花だ。両方ともバナナの房のようなものが雌花で、蜜柑の房状に見えるのが雄花。実は食べずに観賞用に植えているので、人工授粉はしないことにしている。



     その2

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原種系チューリップ ~クルシアナ・レディジェーン

中庭には3種類の原種系チューリップ ~ ”ブルーアイ” ”クルシアナ・クリサンタジェム” ”クルシアナ・クルサンタジェム” を植えている。4月に入って次々と開花し、最後のクルシアナ・クルサンタジェムも上画像のように開いた。原種系のチューリップは小さな、そして可憐な花なので気に入っている。



   その3

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”赤” が だんだん 薄れていく ”八潮紅モミジ”

10日頃に真っ赤に芽吹き始めた”八潮紅”も、だんだんと色が薄れてきている。まもなく普通の緑の葉になってしまう。この間に(たぶん)赤色色素がなくなり、葉緑素が造られてきているのだろう。芽吹きからこの時期までが好きだ。(紅葉もいいが・・・!)



ご訪問ありがとうございました


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コメント 14

mimimomo

おはようございます^^
いいですね~これだけいろんなお花が見られたら。楽しいわ。
ネコノメソウの仲間はいろいろあってちょっと難しいですね。
アブラチャンとクロモジ、なるほどそんな違いがあるのですか。
何時もどちらかしらーっと考えてしまいます。
by mimimomo (2015-04-17 10:26) 

ゆきゆき

こんにちは
コシノコバイモ、公園で栽培種しか見たことがありません。
自生地の物を見てみたいものです。
雪椿、花名も実物も優雅な雰囲気ですね。原種は日本海側特有の植物だそうですね。
by ゆきゆき (2015-04-17 11:29) 

シラネアオイ

こんにちは!
コゴミとネマガリタケは5月の下旬から
6月の上旬にかけての収穫です!!
by シラネアオイ (2015-04-17 13:28) 

めもてる

こんにちは、散策してこれだけの野草がみられるなんてうらやましい限りです。
by めもてる (2015-04-17 13:32) 

g_g

春の山菜、特にコゴミは大好きです。
根曲がり竹、もう採れるんですね、羨ましい!!
by g_g (2015-04-17 15:39) 

Mitch

山野草図鑑、素晴らしいですネ^^
食用にするには正しい同定眼が必要ですね。
ニリンソウと間違えてトリカブトを食べてしまった例もあるとか・・・^^;
by Mitch (2015-04-17 18:27) 

よしころん

ユリワサビ、群生している所を見つけたので、来年は少しいただいてみようかしら~^^
by よしころん (2015-04-17 20:14) 

Baldhead1010

やはり野に咲く自然の花はいいですね。
by Baldhead1010 (2015-04-18 05:32) 

michi

おはようございます。
ご訪問 & コメントありがとうございます。
mimimomoさん:実は私も、クロモジとアブラチャンの花をよく見たのは初めてなんです。どこを写真に撮ればいいのかわからないと後で見ても同定ができなくて困りました。(山を歩くときはそんなことを考えないんですけどね)

ゆきゆきさん:自生地のコシノコバイモは、あっという間に見えなくなってしまいます。毎年群生を確認しています。今のところ毎年咲いてくれますね。

シラネアオイさん:どちらも雪どけを追いかけて芽がでるので、高い山や雪の多い地方ほど遅くなりますね。ネマガリは熊さんも大好物なので、ちょっと心配しなながらの山菜採りになります。

めもてるさん:毎年歩くところですが、違った景色が見えてくるものですね。それがまた楽し~い。

g_gさん:このところ山菜料理が食卓に上がっています。春の楽しみの一つです。

Mitchさん:私も、採ってきたニリンソウの中にトリカブトが混じっていた経験があります。

よしころんさん:私の行く散策路にはユリワサビは結構あちこちに株が分散してあります。(根っこを残して)少しずつつまんで来ます。塩漬けや醤油漬けにして食べています。

Baldhead1010さん:毎年同じ花に出会えるのも楽しいですね。

ご訪問ありがとうございます。
xml_xslさん

tochiさん

mayuさん

sora_pさん

gookhisaoさん

グリーンさん

yohtamboさん

ゆるりさん

斗夢さん

馬爺さん
by michi (2015-04-18 06:59) 

ひろたん

散策して凄いお花ですよね。
散策の楽しみが増えていますね^^
名前を覚えるのが大変そうです。
by ひろたん (2015-04-18 09:35) 

水郷楽人

ネコヤナギ、実家の小川沿いによく生えていました。この時期は川によくはまってずぶ濡れ、肌寒さを感じたことを思いだしました。( ;∀;)。。
by 水郷楽人 (2015-04-18 20:58) 

michi

こんばんは、昨日に続いて日中は暖かかったのでトマトやキュウリなどを植える畝を作りました。

ひろたんさん:名前は覚えきれません。もう新しい名は入りませんね。キャパシティーオーバーです。旧い名は忘れているのでその分入るはずなんですけどね。

水郷楽人さん:そういえば、私も雪どけの水が流れる川の縁を歩いて落ちたことがあります。冷たいなんてものではなかったことを思い出しました。

ご訪問ありがとうございましす。
ribonribonさん

空楽さん

夏炉冬扇さん

ヴェールさん


by michi (2015-04-19 17:40) 

せつこ

おはようございます^^
五頭山へ行ってきましたか、色々な山野草を楽しまれて良かったね。
こちらで(かくまこごみ)のと言っているのはクサソテツと言うシダでしたか@@
茶花以外はあまり知らないのよ><
by せつこ (2015-04-20 08:47) 

OJJ

焼きタケノコ、一度は食してみたいものです・・笑)
by OJJ (2015-04-21 15:49) 

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