北限のオニバス [旬の広場]
“オニバス” 今年も見事に開花
日本の水生植物の中で 一番大きな 約2mにもなる葉をつける一年草
ハスと違って、葉が水面から立ち上がらない(水面に広がるだけ)
新潟市北区の福島潟は オニバスの自生地としては 日本の北限
「オニバス」 (絶滅危惧種 スイレン科 オニバス属)
同じスイレン科の水生植物に “オオオニバス” があるが、こちらは“オオオニバス属”という別の属で、オニバス属はこの“オニバス”一種のみである。
蕾の先端が割れて 開花が始まる
植物の全体に大きな刺が生えていることから「鬼」バスと呼ばれているのだろう。それにしてもすごいトゲだ。
この時期、赤紫色~ピンクの可憐な花を咲かせる。福島潟のオニバスは、今が旬の時期である。この水上で咲く花は開放花で種子がほとんど熟さないという。水上に出ない閉鎖花が蕾のうちに自家受粉を済ませて結実している。なぜこんなに綺麗な花を我々に(?)見せてくれるのだろうか。
厚い葉を突き破って水上に顔を出して花開く
オニバスの開きかけた葉(葉もトゲだらけ)
こうやって葉を広げ、最大2mにもなる
葉の裏側は濃い紫色で、葉柄(葉の中心)から放射状に葉脈が網の目のように広がっている。かなり毒々しい感じさえする。この葉脈が葉を強くしているのだろう。でも、オオオニバスと違って、子どもが上に乗れるほどにはならない。
福島潟の様子 (撮影:2012.8.26.)
ヒシやコウホネ、アシの広がる潟
潟は水が流れている部分と、流れが滞っている部分からなっていて、それぞれの場所にあった水生植物が生育している。オニバスは流れがなく、底が軟泥状態になっているところが適しているようである。
この時期の福島潟の水生植物
「ガガブタ」 (ミツガシワ科)
水面一杯に広がるガガブタ
浮葉性の植物で、地下茎で生長する。スイレンに似た円心形~卵心形の浮葉をつけ、多数の白い花を咲かせる。水面から出た花には5弁で、その花弁の周辺は細かく裂け、一面に毛が生えたように見える。
「コウホネ」と「ヒシ」
「コウホネ」 (スイレン科) 「ヒ シ」 (ヒシ科)
コウホネは浅い池や流れの緩い小川に生育する。根茎が骨のように見えることから、河骨(コウホネ)とよばれている。コウホネの沈水葉はアクアリウムに利用されている。
ヒシの葉は水面に放射状に広がる。葉柄はふくらんで内部がスポンジ状の浮きとなるが、長い茎が池の底に続いていて完全な浮き草ではない。
「ミズアオイ」 (絶滅危惧種 ミズアオイ科)
葉の形がアオイ(徳川家の家紋に使われているウマノスズクサ科のフタバアオイ)に似ているためこの名が付けられたという。この時期、青紫色のきれいな花が目立つ。
水田沿いの用水路や湖沼などに生育する抽水植物。平成7年の新潟県内の報告では、福島潟や瓢湖など5カ所でしか確認されなかった。その後、平成16年に東区海老ヶ瀬地区の水田用排水路で自生しているのが発見され、現在地元の方を中心とした保全活動が進められている。
現在一属一種のオニバス属の植物は、第三紀の鮮新世の時期にはヨーロッパ大陸からアジア大陸にかけて何種類かが分布していたと考えられている。その内の1種の「アカシオニバス」(明石で発見・命名)の化石が新潟県内でもみつかっている。その頃は北海道から九州まで広く分布していたオニバス属の仲間が、“オニバス”を除いて氷河期になって絶滅してしまったのだろうといわれている。
オニバスは氷河期の生き残り
ご訪問ありがとうございました
お早うございます。
福島潟のオニバス、初めて見ました。不思議なハスですね。
恐ろしいほどの棘で「厚い葉を突き破って水上に顔を出して花開く」のにビックリ( ・_・;)です。オオオニバスとオニバスは別ものなんですね。勉強になりました。花は可愛いですね(^。^)
by yakko (2012-08-31 09:23)
こんにちは!
どの水生植物も初めての花を見せて頂きました!
ありがとうございます!!
by シラネアオイ (2012-08-31 10:48)
こんにちは^^
新潟県の福島潟ですか。今までオニバスの生態は知らなかったです。
今年久しぶりにお花を見ることができて、しかも見る場所は何時もと違った植物苑。どうしてここに?と言う気分でした。全部植栽なんでしょうね。
ガガブタも永い間見ていません。今年あるところに行きたかったけれど、
夫が車を出さないから(--
ヒシは初めてです。
by mimimomo (2012-08-31 12:00)
こんにちは^^
オニバス、お花は綺麗ですね♪
子供が乗れるのはオオオニバスというのですね^^
ガガブタやヒシは初めてのような気がします。
珍しい水生植物が植えられているのですね〜
by いろは (2012-08-31 14:34)
こんばんは。
オニバス、花が変わってます葉っぱもハートだったり。
池のブログは珍しいですね。
by 夏炉冬扇 (2012-08-31 17:27)
オニバスの刺触ると痛そうですね、これだけ広い福島潟の水生植物貴重ですね、後々まで残して欲しいです・・・
そういえば先日昨年見たミズアオイの自生地に行ったら一本も葉を見ることが出来まっせんでした。
by g_g (2012-09-01 07:28)
オニバス、見事ですね。本当に古い時代の生き残りという雰囲気を感じます。それにしても、虫を呼ぶ必要もないのに、この鮮やかな色の花は何のためか不思議です。
by satton (2012-09-01 12:01)
おはようございます。
朝の水やりおえて、シャワーを浴びました。
気分爽快ですね、今のところは。
ご訪問 & コメントありがとうございます。
yakkoさん:この時期は、ハスなどの水草が綺麗ですね。オニバスは、何十年も種のままで泥の中で過ごすのもあるらしいですね。
シラネアオイさん:オノバスはトゲトゲに似合わない花をつけるところがおもしろいですね。
mimimomoさん:ヒシの果実は茹でて食べます。昔は貴重な炭水化物だったと思います。実の皮が堅く、むくのが大変。
いろはさん:ここは自生地でしたが、オニバスにはかなり手入しているようです。一時期、消えてしまったように見えた時期がありました。でも、種子が潟のあちこちに残っていたのと、潟の一部で細々と咲き続けていたものを育ててきたものです。
夏炉冬扇さん:オニバスも食べることができるんですよ。味は?
g_gさん:オニバスやミズアオイ、ガガブタなどは貴重な植物です。以前ヒシモドキ(オオヒシモドキ?)も見たことがったんですが、今回は見られませんでした。ここは国の天然記念物に指定されているオオヒシクイなどの野鳥の宝庫でもあります。
sattonさん:この解放花は、やはり私たちのためにあるのかなと思います。もっと、自然を大切にしなさいと言うオニバスからのメッセージでは・・・・?
ご訪問ありがとうございました。
月夜のうずのしゅげさん
さとしさん
by michi (2012-09-02 07:41)
福島潟は渡り鳥の飛来地ですから水の植物が多いですね。
オオヒシクイのエサのヒシの花、初めて見ました。
ガガブタは知りませんでした。
by せつこ (2012-09-03 10:38)
こんにちは
お越しいただき有難うございます。
5月に村上市在住のブロガー「せつこさん」にお会いし村上市の寺社など要所を案内してもらいました。
ガガブタの名は知っていますが実物を未だ見ていません。
by ゆきゆき (2012-09-03 16:27)
じっくりと楽しませて戴きました。
オニバスはトゲで身を守ってるんですね。
葉は大きいのに花はこじんまりですね。
ヒシの実は昔立ち泳ぎしながら実を採って食べてました。
ガガブタとミズアオイは始めて見たかも?
by 旅爺さん (2012-09-03 17:18)
こんばんは。
ご訪問 & コメントありがとうございます。
やっと待望の雨ですね。大雨洪水警報が昨日から、出たり解除になったりと気象庁も大変ですね。
せつこさん:福島潟は渡り鳥も多いんですが、水草も珍しいものが多いんです。他にもあったんですが、今年は見かけませんでした。
ゆくゆきさん:ガガブタの花は、小さいんですが、UPで撮ると綺麗なんです。実物をぜひ見て下さい。
旅爺さん:私もそうでした。でも、以外と根が長くなるんですね。そのぶん、深いところにもあるので、泳ぎにくかったのを覚えています。
グリーンさん:ご訪問ありがとうございます。
by michi (2012-09-04 16:35)
これがオニバスの花ですか。。トゲトゲなのですね。
by 水郷楽人 (2012-09-06 14:42)
宝塚のファミリーランドでオニバスに子供を乗せた記憶が有ります。
写真のとは葉が少し違うような気がしますが・
by OJJ (2012-09-08 21:48)