蛇紋岩の山 - 早池峰 - の花 ③ [山を歩く]
早池峰山 (1,917m)
- 小田越への下山途中に山頂を振り返 る-
「高山草原」のお花畑が続く下山路
亜高山~高山帯の草原(広葉草原・高山草原)には、なぜか、セリ科の白い花が目立つ
「シラネセンキュウ」
「シラネニンジン」
北海道と本州中部地方以北の亜高山~高山帯の草地や岩隙地に生える多年草。ここは山頂の風衝地のため草丈が低い。
「ミヤマトウキ」
北海道と本州中部地方以北の亜高山~高山帯の岩礫地や渓流沿いの岩などに生える多年草。
北海道と本州中部地方以北、四国の高山帯の草地や岩隙地に生える多年草。
「ナガバキタアザミ」 (アザミ科)
北海道と早池峰山の高山帯の草地に生える多年草。大雪山黒岳では、本種や、同じトウヒレン属のユキバトウヒレンを見ることができた。
「ガンジュアザミ」 (絶滅危惧種 キク科)
岩手山と早池峰山の高山帯の草地に特産する多年草。このアザミの葉は基部を抱き、縁は全縁に近いものから羽裂するものまであって変異が大きい。頭花は上向きに咲く。
「オオバタケシマラン」 (右は別地域で撮影した花 ユリ科)
北海道と本州中部地方以北の亜高山~高山帯の林内に生える多年草。葉の基部は深い心臓形で茎を抱いているところがタケシマランとの違い。この時期花が終わり実ができていた。
「ミヤマホツツジ」 (ツツジ科)
北海道と本州中部地方以北と大山、蒜山に分布。亜高山~高山帯の湿地の周辺や低木林などに生える。同属のホツツジは、日当たりのよい山地など分布が広く、花は花柱が少しだけ曲がっているところが違う。
山地帯から高山帯の日当たりの良い林縁の草地や風衝草原に生育する。早池峰ではあまり株が多くは無かった。
山地帯~亜高山帯の林縁に生えるバラ科の落葉低木。がく片や花弁も黄色で、この時期は赤い実になっていた。種名は「広葉蛇上らず」と言う意味で、“蛇上らず”は枝に蛇も上れないほどの刺があることから来ている。
山頂直下の高山草原
「タカネサギソウ」 (ラン科)
北海道、東北地方、白馬岳、南アルプスなどの亜高山帯~高山帯の湿った草地に生える。ツレサギソウ属の仲間では「距」が長く草丈は20cmに満たない。
「タカネナデシコ」 (ナデシコ科)
北海道と本州中部地方の高山帯の岩礫地や草地に生える多年草。低地に生えるカワラナデシコに比べて花弁の切れ込みが深く、花の基部に苞が2対ある(カワラナデシコの苞は3~4対)。
「コウモリソウ」 (キク科)
山地の林内に生えている。葉の形をコウモリの翼を広げた形にみたてたのが名前の由来。コウモリソウに比べて少し大型の種のヨブスマソウの「ヨブスマ」もコウモリのことである。
「センジュガンピ」 (ナデシコ科)
本州中部地方以北の山地帯~高山帯の林内や林縁に生える。薄暗い林内でも綺麗な白は目立つ。
「ソバナ」 (キキョウ科)
ソバナ シロバナソバナ
北海道と中部地方以北、四国剣山などの山地帯~高山帯の砂礫地や岩場に生える。このハタザオ属の仲間は目立たない花だが、各種高山型が各地に分布している。
「マルバキンレイカ」 (オミナエシ科)
「丸葉金鈴花」の意味(キンレイカはハクサンオミナエシ)だが、丸い葉とか全縁ではなく、キンレイカ属のなかでも葉に切れ込みがないということらしい。大雪山では「チシマキンレイカ」を観ている。
「タマガワホトトギス」 (ユリ科)
ホトトギス属の仲間では最も冷涼な環境に適応する種で、山の谷筋などの湿った場所に自生し、花は黄色で赤紫色の斑点が入るのが特徴。
「ミソガワソウ」 (シソ科)
北海道、本州奈良県以北の山地帯~高山帯の渓流沿いや湿った草地に生える。木曽川の支流味噌川に生えることから「味噌香草」と言われたという。
小田越から、下ってきた山頂を見上げる
「ノリウツギ」 (ユキノシタ科)
小田越付近で撮影したノリウツギの装飾花は普通白色だが、ここ花は赤実を帯びてきていた
小田越は標高が1,240mの地点。周り高山植物に堪能している間に、あっという間に下ってしまった。でも、上り下りになんと10時間という長い時間をかけてしまった。それほど目を引く植物があったと言うことだろう。大雪山の散策の約2週間後に早池峰を訪れたが、ここも素晴らしい山だった。
今年の夏山散策・高山植物はこれで終了
(秋は白山スーパー林道の紅葉を楽しみたい!)
ご訪問ありがとうございました
こんにちは^^
本当に沢山のお花があって幸せなひと時ですね~♪
セリ科のお花、よく区別が付けられると羨ましいです。
先日タケシマランの実は見つけましたが、オオバ・・・の方はまだ見たことがないわ~
ハナイカリ、久しぶりだわ^^
by mimimomo (2012-08-27 15:48)
こんにちは^^
山頂直下の高山草原の景色が、素晴らしいですね〜♪
センジュガンピやソバナは大好きなお花です!
ミソガワソウが綺麗ですね♪
以前、栂池で観ることが出来ました。
by いろは (2012-08-27 16:18)
今日は。
植物博士ですね。
by 夏炉冬扇 (2012-08-27 16:20)
たくさんの花を撮れましたね。はじめて見るものが多いです。次回も楽しみです。
by satton (2012-08-27 19:22)
花の名山というだけあって普通の山に無い花が沢山あるようですね
まだ見たことが無い花がアップされていて興味をひく山です。
これほどたくさん早池峰の花を紹介して頂いたのは始めてでしたので本当に楽しませて頂きました。
by g_g (2012-08-27 20:02)
名前も知らなかった早池峰山 素晴らしいお山ですね。
沢山の珍しいお花を見せて頂いて有難うございます。
本当に植物博士さんですね。お花の名前がスラスラと
でてくるのはびっくりですね。
by ふーみん (2012-08-27 23:01)
植物の名前を知っていれば山行きの楽しみも倍加しますね^^
by Baldhead1010 (2012-08-28 04:21)
おはようございます。早池峰山の植物を見ていただいてありがとうございました。私自身初めて見たものもたくさんありました。
ご訪問 & コメントありがとうございます。
mimimomoさん:ハナイカリは初めて見ました。「これ、なんだろう!」がずいぶん続きましたよ、早池峰は。オオバタケシマランの花は木曽駒の千畳敷で撮ったものです。
いろはさん:センジュガンピは薄暗い藪の中でよく目立ちましたね。綺麗な、しかもかわいい花ですね。山頂のお花畑は“中庭」では見ることができない景色です。
夏炉冬扇:私の師と思っている人と一緒に登りましたので、名前と見どこを聞きながら歩くことができました。でも、夏の暑い時期は、畑はほとんど何もしません。
sattonさん:楽しい山でした。まだまだ名前の同定には疑問のあるものばかりです。大事なポイントを押さえることができないからでしょうね。写真でとらえることが難しいですね。
g_gさん:ありがとうございます。私自身、花の多さに驚いているところです。花期を過ぎていたり、まだだったりするものもあるので、時期をずらして行きたいですね。
ふーみんさん:“スラスラ”なんて、とんでもないです。綺麗な花に出会うと、パチリ。名前がはっきりしないものは家に帰って、あちこち調べるんです。それも、この年になっての楽しみなんですけどね。
Baldhead1010さん:この時期には、ここはこの花が咲いているはずだと思って行くことも楽しみですね。
ご訪問ありがとうございます。
シラネアオイさん
さとしさん
by michi (2012-08-28 05:39)
こんにちは。
たくさんの山野草に出会われましたね〜 楽しかったでしょう〜
充実した10時間でしたね。満足度 100% ですね(*^_^*)
by yakko (2012-08-28 14:33)
この花の多いこと、流石は名前を聞くだけのことは有りますね~
by OJJ (2012-08-29 14:20)
おはようございます。午前4時、突然の雨で目が覚める。
今は待望(私も、畑も、庭も)のお湿り! もっとふれ~~!
yakkoさん:登っている間は120%なんですけどね。下るときは80%。トータルで100%になっちゃうんです。でも、たくさんの草花との出合は、いつまでも心に残ります。
OJJさん:“早池峰”はずっとあこがれていた山なんです。念願がやっと叶ったというところですね。
ご訪問ありがとうございました。
heitanソウソウさん
グリーンさん
by michi (2012-08-30 06:11)
花の宝庫でしたね、雨の日登山だったので晴れた日に、ゆっくりと散策してみたいです。
by せつこ (2012-08-30 06:32)
michiさん、こんにちは♪
先日はコメントありがとうございました。
そしていつもご訪問ありがとうございます^^
早池峰山、毎年訪れてみたい山なのですが、今年も行けずじまいでした・・・
ここも蛇文岩なのですね。 知りませんでした。
来年こそは!! 毎年そう思っています。
私のブログは山歩きの記事ばかりですが、どうぞよろしくお願いいたします♪
by よしころん (2012-09-13 14:09)