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北海道の屋根 - 大雪山の草花  付録編- [山を歩く]

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勇駒別湿原 ~ サロマ湖の原生花園へ

旅の2日目は早朝から雨。旭岳登頂はあきらめ、旭岳ロープウエー周辺の勇駒別(ゆこまんべつ)湿原を歩き、その後オホーツク海のサロマ湖へ向かうことにした。大急ぎで駆け抜けた北海道の草花を、旅の最後にお届けします。

“エゾ”と名のついた植物がたくさんあります

勇駒別湿原とその周辺の植物

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「エゾタツナミソウ」 (シソ科)

14エゾタツナミソウ_3.jpg タツナミソウとはどこか違う

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「エゾノレイジンソウ」 (キンポウゲ科)

「(蝦夷)伶人草」と高貴な名がついているが、トリカブトの仲間である。図鑑を見るとトリカブト属は細かく分類されている。山と渓谷社「日本の高山植物」によると、北海道には変種等も含めて12種に分類されている。深紫色の花が多い中で、エゾノレイジンソウは淡黄色である。この花は北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯に分布している。

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「エゾワサビ」 (アブラナ科)

「蝦夷山葵」の意味だが、北海道や本州北部にも生育している。ワサビとは別の仲間で、あまり辛味成分がないようだ。

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「ミゾホウズキ」 (ゴマノハグサ科)

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「ウスギツリフネソウ」 (ツリフネソウ科)

“黄”ツリフネソウではなく、“薄黄”ツリフネソウのいみなのだろう

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「エゾトリカブト」 (キンポウゲ科)

20エゾトリカブト12.jpg 近くの看板にある花


 

ここからは湿原を離れて、忠別ダムに至る道路脇で

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「アカミノエンレイソウ」 (ユリ科)

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「オオウバユリ」 (ユリ科)

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「エゾクガイソウ」 (ゴマノハグサ科)

クガイソウは葉が3~8枚輪生するのに対して、この写真には10枚以上の輪生する葉がある。

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「エゾニュウ」 (セリ科)

茎の太さが10cm、草丈が3mにもなる大きな草。葉柄の基部が大きな袋状の鞘になっている。写真はその葉柄が枯れて垂れ下がっている。

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「ミヤママタタビ」 (サルナシ科)

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葉の一部が赤くなる。実の形もマタタビとは異なる。

 

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「ヤナギラン」 (アカバナ科)


 

 サロマ湖の原生花園

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原生花園 (背景はサロマ湖)

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原生花園も花の宝庫

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いろんな花が混雑している まさに“原生!”

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「アッケシソウ」 (アカザ科)

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北海道釧路の厚岸(アッケシ)の島で発見。塩水をかぶる砂地に生える一年草。別名を「ヤチサンゴ」という。秋になると緑色の茎が紅紫色となって海岸を彩る。そんな“珊瑚の群生”も見てみたい。

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「ウシオツメクサ」 (ナデシコ科)

アッケシソウに混じって、ウシオツメクサの花が咲いている。これも海水に適応している。

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「シバナ」 (ヒルムシロ科)

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シバナは“塩場菜”の意味で、海水の出入りする沼地に生える多年草。海から陸への進化の過程にある原始的な植物なのかもしれない。湯駒別湿原(淡水の沼地)には近縁(?)のホソバノシバナが咲いていた。

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「アカバナエゾノコギリソウ」 (キク科)

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「エゾオオバコ」 (オオバコ科)

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「エゾカワラナデシコ」 (ナデシコ科)

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カワラナデシコはがくの基部の苞は3~4対あるが、基本種のエゾカワラナデシコはやや大型で海岸に見られ、苞が2対しかなく、先が長い尾状で短くとがる。

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「カセンソウ」 (キク科)

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日本各地に見られる。“歌仙草”の意味というが、どうしてこんな名がついたのだろうか?

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「ハマクサフジ」 (マメ科)

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「ムシャリンドウ」 (シソ科)

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「リンドウ」の名がついているが、シソ科である。北海道、本州中部以北の日当たりのよい草地に生える多年草。「武佐竜胆」の意味で、滋賀県武佐で発見されたという。リンドウの花に似ているのだろうか。

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「ハマナス」 (バラ科)

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“原生花園”と言うと、ハマナスを思い出すが、ノハナショウブも群生している。

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40年以上も前にも、この近くの原生花園を訪れことを思い出した。そのときは花にはあまり興味は無かったが、夕焼けの真っ赤な雲の色が印象に残っている。今回はいろんな花を見ることができた。新潟では見ることのできない珍しい草花に出会えたことを、雨に感謝しなければいけない。

旭岳に登っていたら、これらの花には出会わなかったろうし、この先にも出会うことことはないだろう!

山を歩く 「北海道の屋根 - 大雪山の草花」の旅

付録編をもって終わります

しばらくお休みします

「早池峰山の草花」を見に行ってきます

ご訪問ありがとうございました


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コメント 10

シラネアオイ

こんにちは!
広い北海道の旅お疲れさまでした!
又の機会を楽しみにお待ちしていますよ!!

by シラネアオイ (2012-08-10 10:26) 

satton

エゾと名がついていても出会ったことのない花がいっぱいです。北海道にすんでいながら井の中の蛙状態の自分がわかります。歩かねば・・・。
by satton (2012-08-10 10:38) 

g_g

本州に居ては見られ無い草花など写真をじっくり見させて頂きました、この様な花との出会いもいいですね。
by g_g (2012-08-10 11:44) 

夏炉冬扇

今日は。
アカミノエンレイソウ、虫がいるのかと思いました。
お盆、お寺参りしました。

by 夏炉冬扇 (2012-08-10 15:26) 

いろは

こんにちは^^
図鑑でしか観られないお花がいっぱい観られて、素敵な旅でしたね〜
堪能させていただきました! ありがとうございます♪
今度は早池峰山ですか〜
高山植物の宝庫と言われていますね。
お写真を楽しみにしています^^

by いろは (2012-08-10 17:39) 

mimimomo

こんにちは^^
さすがに蝦夷地。エゾらしいお花がたくさんですね。
今日はハマナスの実を撮影しましたよ^^
by mimimomo (2012-08-10 17:41) 

ふーみん

いながらにして大雪山の花々を見せていただき
ありがとうございました。
高山植物は白馬のお花畑 伊吹山のお花畑くらいです。
コンナニ種類があるのですね。 エゾの付くお花!
エゾカワハラナデシコ 野性美を感じます。
by ふーみん (2012-08-11 18:29) 

puripuri

生まれも育ちも北海道と言っても、知ってる花は子供の頃に庭や近所で咲いてる
花ぐらいでして、、  兄が北海道の花が載ってる本を持っているので、それを
見るといっぱいあるんですね~ 驚きました。
たくさん見て撮られて、お花達を楽しく見せていただきました(●^o^●)
by puripuri (2012-08-12 15:59) 

yakko

こんばんは。
スゴ〜い !! たくさんの山野草に会われましたね〜(@_@;)
見たこともない、珍しい花たちです・・・f(^ー^;
by yakko (2012-08-19 19:41) 

OJJ

原生花園と聞くと直ぐになぜか小清水原生花園を連想してしまいます~
by OJJ (2012-08-19 21:06) 

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