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北海道の屋根 - 大雪山の草花 ④- [山を歩く]

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表大雪黒岳山頂(1984.3m)に立つ

26日早朝に層雲峡温泉を出発して、ロープウエーとリフトを乗り継ぎ、9時半頃黒岳山頂に到着

リフトを降りると、そこは標高1510mの7合目、そこからコースタイムが1時間10分とされている登りを、倍近い時間をかける。1700m付近が森林限界で、黒岳では「マネキ岩」あたりになる。「 大雪山の草花 ②~③」と、黒岳山頂に至る登山道での植物を見てきたが、いよいよ森林限界を越えて山頂に広がるお花畑へ。

眼前に黒岳のお花畑、正面北鎮岳には白鳥と千鳥が舞う

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北鎮岳は大雪山系第2の高峰(2244m)。東側斜面にはハクチョウとチドリの雪形が我々を迎えてくれる。 (北鎮岳から3kmほど離れた黒岳頂上から眺めている)北鎮岳山頂には、円内右手の羽を広げたチドリと、左のハクチョウがくちばしを寄せ合うような形で雪が残っている。こんな雪形が迎えてくれるとは、ラッキーとしかいいようがない。

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高山植物の背景に、雪形!

早速 お花畑を散策


 

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「イワブクロ」 (ゴマノハグサ科)

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北海道と東北地方の亜高山帯~高山帯の砂礫地や岩場に生える多年草。花は桐の花に似ていて、淡紅紫色だが、まとまって咲いているので、岩場でよく目立つ。砂礫が移動するような厳しい場所でも生育できるパイオニア植物といえるだろう。

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エゾツツジもお花畑のあちこちでよく目立つ

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「エゾツツジ」 (ツツジ科)

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北海道や東北地方の高山帯の風衝岩礫地に生える落葉低木。高さが5~30cmと低いため、横向きに咲いた紫紅色の花が大きく目立つ。お花畑のなかで、緑とのコントラストが生える。

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「イワギキョウ」 (キキョウ科)

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チシマギキョウもあるが、イワギキョウの方が多く見られた

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チシマギキョウ:花冠の先は有毛     イワギキキョウ:無毛

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チシマギキョウやイワギキョウも岩礫の中や緑の中でよく目立っている。特に、山頂のお花畑では周りの丈の低い植物の中で花が立ち上がって見えて、エゾツツジの赤とは対照的な色でよく目立っている。(イワギキョウの1枚目の写真が気に入っている。)


 

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昨日登頂を断念した「旭岳」が間宮岳(中央の山)の後ろに、時々顔をのぞかせる

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チシマツガザクラやウラシマツツジ、イワヒゲなどツツジ科の植物もお花畑を作っている

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「ウラシマツツジ」 (ツツジ科)

上左の写真の右端の葉が一部赤くなってきている。ウラシマツツジは真っ赤に「紅葉」するという。そんな景色も見てきたいものだ。上右の写真の丸いのは果実。

 

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「チシマツガザクラ」 (ツツジ科)

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「イワヒゲ」  (ツツジ科)

s-37イワヒゲ12.jpg 立ち上がる小さなかわいい花

イワヒゲは本州中部地方以北の高山帯に分布するが、大群落が見られるのは大雪だけという。鱗状の葉をビッシリト付けた枝と、そこから3cm位の花柄を立ち上げほとんど白色の花を付ける。厳しい自然環境に見事に適応してるいるツツジ科の高山植物たちには、目を奪われてしまう。

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「シロサマニヨモギ」 (キク科)

サマニヨモギは、北海道や岩手県の高山帯に生育するが、シロサマニヨモギは北海道~サハリンに分布するという。前者は全体に軟毛が密生しているものの後になって落ちてしまう、後者は花が終わってからもずっと残っているという。そのためか全体が白っぽく見える。寒い地方へ適応したヨモギなのか。「サマニ」は日高地方の「様似」と言う意味。

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「チシマキンレイカ」 (オミナエシ科)

北海道の高山帯の砂礫地に生える多年草で、別名がタカネオミナエシ。丈はせいぜい15cm位で、茎には白い毛が線状に2列ある。

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「メアカンキンバイ」  (バラ科)

s-34メアカンキンバイ_1.jpg 大雪のほぼ全域

砂礫地に見られ、地下匐枝を出して増える。丈は10cm以下で、地面にへばりついているように見える。

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「ユキバトウヒレン」 (キク科)

大雪山や十勝岳などの高山帯の砂礫地に特産する。ウスユキトウヒレンの変異種の一つとされているが、移行型も多くあるという。本種は葉の裏面に白い綿毛が密生している。

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「エゾノイワツメクサ」 (ナデシコ科)

北海道中央高地の高山帯の砂礫地や岩場に生える多年草。イワツメクサとは、種子の形状が異なると言う。

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ハイマツの枯れ枝の間から顔を出す「コマクサ」 

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「コマクサ」 (ケシ科)

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岩場に点々と広がる コマクサ


 

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好天に恵まれた黒岳の草花を終え、大雪とのお別れに!

黒岳山頂から表大雪を振り返る

今度来るときは、黒岳~旭岳の縦走を!

ご訪問ありがとうございました

次回、「北海道の屋根 - 大雪山の草花」・・・ 付録編で北海道を終わります

 


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コメント 9

せつこ

おはようございます^^
良いところへ行ってきましたね、遡って見ておきます。
北海道は何度か行きましたが、全部観光でした。
素晴らしい花の宝庫とは知ってますが、ヒグマも怖いし登山はしたことが無いです。
ここで観賞させていただきます。

by せつこ (2012-08-08 06:05) 

いろは

こんにちは^^
図鑑でしか観る事が出来ないお花ばかり〜〜
実際目の当たりにすると、感動も一入でしょうね。
特にイワギキョウが素敵です!
歩いて見たい山ですね〜♪
by いろは (2012-08-08 16:51) 

シラネアオイ

こんにちは!
素晴らしい天候に恵まれて北海道の高山植物に
出会いましたね!
一度は花の時期に行ってみたいものです!!
by シラネアオイ (2012-08-08 17:12) 

g_g

北海道ならばでの花々、一部は東北で見られるのでしょうが
やはり大雪付近の花々が素晴らしいですね、機会があるかどうか
歩いて見たい場所がまた増えていきます。
by g_g (2012-08-08 19:05) 

satton

こんなに咲いているのですね。雪の山を背景に高山植物を撮るために来年は大雪山への登る計画を立てます。
by satton (2012-08-08 19:06) 

yakko

こんばんは。
好天と高山植物との出会い、最高ですね〜〜〜(*^_^*)
by yakko (2012-08-08 19:41) 

夏炉冬扇

こんばんは。
野生のキキョウは数年見かけていません。
by 夏炉冬扇 (2012-08-08 21:18) 

michi

こんばんは。
ご訪問 & コメントありがとうございます。

せつこさん:大勢の人が登山していますので、ヒグマはあまり心配はしていませんでした。でも、一応すずは付けていましたが。

いろはさん:自然の中で見るのが一番ですね。疲れを忘れさせてくれますね。背景がまたいいんです。山に登る醍醐味です。

シラネアオイさん:さすがに大雪です。またいきたくなりましたね。地元に方はうらやましい!!

g_gさん:是非大雪を歩いてみてください。写真ではあらわせないですね。

sattonさん:季節を考慮して、是非訪れてみてください。私もまた行ってみたくなりました。

yakkoさん:好天に恵まれると、山もほんとうに素晴らしいですね。でも最悪の天候も予想しなくては、なかなかいけませんよね。

夏炉冬扇さん:森林限界を超えると植物もあまり大ききなりません。そんな中でイワギキョウの青、エゾツツジの赤が“よく目立ちます。

ご訪問ありがとうございます。
xml_xslさん

月夜のうずのしゅげさん

きゅうさん

by michi (2012-08-08 23:42) 

Baldhead1010

一番いい季節ですね^^
by Baldhead1010 (2012-08-09 04:19) 

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