SSブログ

北海道の屋根 - 大雪山の草花 ③- [山を歩く]

s-11黒岳山頂.jpg

大雪山黒岳山頂まであと僅か

層雲峡温泉(標高660m)からロープウエーとリフトを乗り継ぎ、黒岳山頂を(1984.3m)目指す。リフトを降りた地点は標高は7合目(1510m)なので、上りは500mもない。

s-37シラタマソウ_2.jpgs-36シラタマソウ_1.jpg

「シラタマソウ」(ナデシコ科)

こんなところに「チシママンテマ」と思った。ここはロープウエーの乗り場。どうやらシラタマソウらしい。大雪のこんなところまで外来種が侵入しているのか。

ここは高山植物の宝庫 ゆっくり時間をかけて楽しみながら登る

s-12タカネトウチソウ11.jpg

「タカネトウチソウ」(バラ科)

穂状に白く見えるのは花弁ではなく、先が太くなった雄蕊。写真はロープウエーとリフトとの間で撮影。

s-13モミジカラマツ.jpg

「モミジカラマツ」(キンポウゲ科)

この花にも花弁がなく、がく片も落ちてしまっているので、白く見えるのは雄蕊。

s-15ヤマホタルブクロ_2.jpg

「ヤマホタルブクロ」(キキョウ科)

ロープウエーを降りたところで撮影。低地にもあるものなのだが、色が綺麗!

 


 

s-16チシマノキンバイソウ_6.jpg

 上りは 黄色の花 が目立つ

 

 s-17黒岳花畑19.jpg

8合目を超えると、やっと視界がよくなってきた。周りに立ちこめていたガスが晴れ、遠くの山が雲間からのぞき、足下にはお花畑が広がっている。

s-18エゾウサギギク_22.jpg

「エゾウサギギク」(キク科)

s-19エゾウサギギク_4.jpg

外形はウサギギクと同じに見える。北海道にもウサギギクは分布しているが、最も多く分布しているのがエゾウサギギクと言われている。ウサギギクは筒状花の筒の部分に毛があるが、エゾウサギギクには無い。

s-20チシマノキンバイソウ_5.jpg

「チシマノキンバイソウ」(キンポウゲ科)

s-21チシマノキンバイソウ_13.jpg

s-22チシマノキンバイソウ_12.jpg

登山道の脇には、チシマノキンバイソウのお花畑が広がっていた。花弁のように見える黄色の部分はがくで、花弁は中央部分にある。この花弁と雄蕊の長さが微妙に違うことによって他のキンバイソウの仲間と区別できる。

s-23黒岳花畑14.jpg

お花畑

 


 

 s-40シナノキンバイ?_15.jpg

「チシマノキンバイソウ」と思っていたが、雄蕊より花弁が短いものが!!

これは「シナノキンバイ」・・・?

花をよく観ると、がく(いっけん花弁のように見える黄色の部分)の中央部分にある花弁が雄蕊より短い花がある。シナノキンバイは昨年千畳敷でよく見られたもので、つくりがそれに似ている。

典型的な3種類の花をUPしてみると

s-41キンバイソウ26.jpg

キンバイソウ(霧ヶ峰 H23.7.29) 花弁が長い

s-42チシマノキンバイソウ_14.jpg

チシマノキンバイソウ(黒岳) 花弁と雄蕊が同じ長さ

s-43シナノキンバイ25.jpg

シナノキンバイ(千畳敷 H23.7.30) 花弁は雄蕊より短い

比べてみると(はっきりとしないが)、花弁が雄蕊より”短いようにも見える。シナニキンバイはエゾキンバイソウという別名があるので、北海道にも分布している。でも、ここ黒岳にもあるのだろうか?

シナノキンバイ(エゾキンバイソウ)としておこう!

 


 

s-24ハイオトギリ.jpg

「ハイオトギリ」(オトギリソウ科)

亜高山帯~高山帯の草地に見られるもので、大雪山には広く分布している。これよりもっと小型で、花も小さい「ダイセツヒナオトギリ」が見たいと思ったが、こちらは大雪高原温泉の周辺にしか分布していないので、次回の楽しみにしようと思う。

s-25ミヤマキンポウゲ11.jpg

「ミヤマキンポウゲ」(キンポウゲ科)

s-26ミヤマキンポウゲ12.jpg

ミヤマキンポウゲは亜高山帯~高山帯のやや湿った草地や岩礫地に大群落をつくることが多い。今回は、ほとんどがチシマノキンバイソウの群落で、残念ながらこの大群落に出会うことは無かった。


s-27黒岳花畑.jpg

まもなく 山頂に

s-28トカチフウロ_1.jpg

「トカチフウロ」(フウロウソウ科)

s-30トカチフウロ_3.jpgs-29エゾグンナイフウロ11.jpg 

トカチフウロ       エゾグンナイフウロ

エゾグンナイフウロは北海道の亜高山帯~高山帯に特産する。これに近縁なものに、葉の切れ込みが深く、花の色が紅紫色のチシマフウロがある。トカチフウロは淡紫色か、白色に近い花で、完全な白色花のものをシロバナチシマフウロと呼ぶこともあるらしい。

s-31ナガバキタアザミ_2.jpg

「ナガバキタアザミ」(キク科)

s-32ナガバノキタアザミ.jpg

北海道と早池峰山の高山帯に分布するトウヒレン属の多年草。登山道脇に群生している。

s-33エゾヒメクワガタ_3.jpg

「エゾヒメクワガタ」(ゴマノハグサ科)

s-34エゾヒメクワガタ_12.jpg

大雪山各地に広く分布。葉は対生し、広卵形で細かい鋸歯があり、全体に毛が生えている。花柱が花冠より長く突き出る。絶滅危惧種。

s-35ハクサンチドリ_2.jpg

「ハクサンチドリ」(ラン科)

 

s-38エゾシマリス13.jpg s-39エゾシマリス12.jpg

エゾシマリスがお出迎え

この写真はリフトの乗り降りする場所での撮影だが、登山道では時折小枝の上から挨拶してくれるシマリスを見ることができた。この場所はどうやら登山客からのえさをねだっているのかもしれない。でも、それは、彼らにとってあまりいいことではないだろう。

もう少しで山頂(1984.3m)

山頂のお花畑は 次回へ続きます

 


nice!(13)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 13

コメント 10

げんや

シナノキンバイ,いいですよね~
同じような場所に水芭蕉は咲いてなかったです?

メール送ってみたんですが,届きました?
by げんや (2012-08-06 13:47) 

いろは

こんにちは^^
エゾウサギギク、綺麗ですね〜♪
チシマキンバイ、シナノキンバイどちらも素敵!
トカチフウロというお花もあるのですね〜。
やはり北海道ならではのお花が沢山ありますね。
エゾシマリスが可愛いですね♪
by いろは (2012-08-06 16:10) 

水郷楽人

高山植物の花々が満開ですね。そして涼しそうです。
by 水郷楽人 (2012-08-07 13:45) 

夏炉冬扇

今日は。
確かに黄色が目立ちました。
リス可愛い。
by 夏炉冬扇 (2012-08-07 13:51) 

OJJ

写真を見ると、あんなのも咲いていた、こんなのも有ったと思い出します。
名前は知らんでも花を少しは覚えてるモンですね~
by OJJ (2012-08-07 14:55) 

g_g

微妙な花の姿、キンバイソウ、3種の違いよく理解できました
まだ見ない花ばかりで直ぐ忘れそうですが次のレポも楽しみです。
by g_g (2012-08-07 20:04) 

さとし

いいですねぇ、私もリスに会ってみたいですよ。
by さとし (2012-08-07 20:44) 

yakko

こんばんは。
大雪山はたくさんのお花で、一番素敵な季節だったんですね。
黄色とブルー系が多いですね。リスさんもカワイイ !!
by yakko (2012-08-07 21:16) 

michi

おはようございます。
8日朝、今朝は虫の声で起こされました。虫の鳴き声は今期初めてかもしれない。突然涼しくなりました。

ご訪問 & コメントありがとうございます。
げんやさん:湿原の水芭蕉はもう終わって、葉だけでした。メール届いています。

いろはさん:初めての花ばかりでした。まだまだあるんでしょうけど、今度はいついけるのか?

水郷楽人さん:花はたくさんあり満足しましたが、3日目は暑かった!

夏炉冬扇さん:霧の晴れ間の黄色い花のお花畑綺麗でしたよ。

OJJさん:正確な名前を忘れても、そのときの感動は忘れないものですね。

g_gさん:ありがとうございます。現地でわかったつもりになっても、写真で表すことがなかなかできなくて・・・。違いのはっきりした写真を心がけてはいるんですが。

さとしさん:このリスは人なつっこくて。餌をあげない方がいいのではないかと思いました。

yakkoさん:山頂のお花畑は、森林限界を越えるので、違った花の宝庫でした。

ご訪問ありがとうございます。
xml_xslさん

mimimomoさん

きゅうさん

シラネアオイさん


by michi (2012-08-08 05:40) 

せつこ

たくさんの花に出会えてよかったね♪
by せつこ (2012-08-08 06:08) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。