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エゾアジサイ & ハクサンイチゲ ~月山 ①~ [山を歩く]

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「月山 の エゾアジサイ」

7月5日、山開き間もない月山へ。目的は5合目付近の「エゾアジサイ」と山頂付近の「ハクサンイチゲ

薄暗いブナ林の下に咲く、薄水色で清楚なガクアジサイ、そして山頂に広がるハクサンイチゲやチングルマのお花畑をどうしても見たくなって、(鶴岡市に用事があったついでにだが)山頂を目指すことにした。

月山で出会った高山の花たちを紹介します

宜しかったら 続きを ご覧ください

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「目指す月山山頂(右端 標高:1,984m)」(2011.7.17撮影の山頂)


1.まずは 月山山麓で

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「エゾアジサイ」

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エゾアジサイはガクアジサイの仲間とされている。装飾花の色が”薄水色”で、周りの濃い緑の中でひときわ目立つ。3年前の同じ時期に登った時の吸い込まれそうな透明感のある水色に、今年も出会うことができた。

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月山のもっともポピュラーなコースは8合目まで車で進む。この道路の5合目付近、車で通過するブナ林の中にエゾアジサイが密生している。(自生ではないのだろう?)我が家の中庭で見ているヤマアジサイの仲間とは違って、清楚な感じがするところがいい。

2.8合目 月山高原レストハウスは車の終点・・・ここから山頂を目指す・・・

***** ① 8合目付近からの眺め *****

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鳥海山を眺める ・・今日は山頂が雲に隠れている

33鳥海20100717-2.jpg2011.7.17の鳥海山

月山8合目は標高1,400m。ここから9合目の仏生池小屋(標高1,750m)まで約1時間半。(もちろん周りを眺め、写真を撮りながら登る)途中の鶴岡で用事を済ませてきたので、歩き始めは10時15分と絵で遅れてしまった。

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「弥陀ヶ原」散策マップ

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「弥陀ヶ原から山頂方向を見上げる」(山頂は中央の雲の後方

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「弥陀ヶ原」を振り返る

8合目~9合目までの前半にある弥陀ヶ原には大小さまざまの池塘が点在し、その周辺にお花畑が広がっている。少し外れるとスキーを楽しむことのできる雪渓がひろがっている。雪消えとともに、ヒナザクラやチングルマなどの高山植物が、今まさに旬を迎えている。

***** ② 湿原周辺のお花畑 *****

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「池塘とその周りのお花畑」

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「イワイチョウ」

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イワイチョウはミツガシワ科の多年草

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北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯のやや湿ったところに群生

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「トキソウ」(ラン科) (すこし、色が薄いようだ)

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「ネバリノギラン」 (ユリ科)

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山地帯~高山帯の湿った草地に生育する日本固有種。花の上部は粘っている。

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「コバイケイソウ」(ユリ科)

北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の草地に群生

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「ニッコウキスゲ」 (ユリ科)

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コバイケイソウもニッコウキスゲも以前に比べて花が少ないように思える。これからなのだろうか?

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「ヨツバシオガマ」(ゴマノハグサ科)

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弥陀ヶ原の木道を歩いていると、池塘周辺の湿ったところにイワイチョウに混じって咲いている。

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「ミヤマシオガマ」(ゴマノハグサ科)

ヨツバシオガマもミヤマシオガマも、北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の草地に生育するが、後者のほうがより高いところに適応しているのかもしれない。(上の画像は9合目を越えてからの撮影)

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「オオバスノキ」 (ツツジ科)

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北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の低木林の林縁に生育。果実は黒紫色に熟す。

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「マルバシモツケ」(バラ科)

北海道と関東・白山以北の亜高山帯~高山帯の岩礫地、ハイマツの林縁など日当たりのよいところに生育。

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「ミヤマヤナギ」(ヤナギ科)

北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の低木林や林縁に生育。綿毛に包まれた種子。

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「ウラジロヨウラク」(ツツジ科)

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北海道と本州・四国の山地帯~高山帯のやや湿ったところに生育。

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花冠は長さ1~1.5cmほどの筒形。ガク片が短いもの(左)と長いもの(右)が混在している。ガク片の長いものをガクウラジロヨウラクと分けることもあるようだが、よくわからない(ガクウラジロヨウラクのガクはもっと長かったようにも思う)。

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オオバスノキやマルバシモツケ、ミチヤナギ、ウラジロヨウラクなどの低木は湿原の周辺や、湿原から山地へと移り変わるところに生育していて、この時期は登山道に沿っていろんな花がみられる。

なだらかな 尾根歩きが続く

 ***** ③ 9合目・仏生池付近のお花畑 *****

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仏生池小屋まであと一歩のところ・・・今年は雪渓が広がっている

まだ雪がとけたばかりのところと乾き始めたところ・・・そんなところにある花

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「ウサギギク」(キク科)

北海道と本州中部地方以北の高山帯の草地に生育する。緑の中で黄色がよく目立つ。

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「ベニバナイチゴ」(バラ科)

51ベニバナイチゴ11.jpg 51ベニバナイチゴ12.jpg

北海道と中部地方の日本海側の亜高山帯~高山帯の林縁や渓流沿いに生育する。イチゴの味はいまいち。

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「ハクサンフウロ」(フウロソウ科)

本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の草地に生育する。

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「ツマトリソウ」(サクラソウ科)

北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯~高山帯の林床に生育する。

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「カラマツソウ」(キンポウゲ科)

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北海道と本州の亜高山帯~高山帯の草地に生育する。

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「シラネアオイ」(キンポウゲ科)

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「ゴゼンタチバナ」(ミズキ科)

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北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯~高山帯の林下や林縁に生育する。

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弥陀ヶ原を過ぎると湿原を離れ登山道は登り一方となる。仏生池小屋の上では雪渓を何回か横切る。小低木の間を登る登山道では、林縁には上の画像のような花が咲競っている。

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「ショウジョウバカマ」(ユリ科

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雪がとけたばかりのところで、重い雪に耐えてきたかのように花をやっと持ち上げている。

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「マイヅルソウ」(ユリ科)

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「ミツバオウレン」(キンポウゲ科)

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「ミツバノバイカオウレン」(キンポウゲ科)

北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯~高山帯の針葉樹林の林内や林縁に生育する。

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根生葉は3出複葉で確かに三葉黄蓮だが、花は梅花黄蓮によく似ている。

ガクの形・茎の色・葉などから「ミツバノバイカオウレン」でした。

g_gさんからご指摘を頂き、ありがとうございました。

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「ミヤマナナカマド ?」(バラ科)

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木は登山道わきにも多く見られるが、花は少ないようだ。

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「ミネカエデ」(カエデ科)

北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯~高山帯の主に針葉樹林の林縁に生育する。

79ミネカエデ12雌花.jpg 79ミネカエデ12雄花.jpg

雌花  と  雄花

9合目を越えると、雪渓の周囲に、また違ったお花畑が広がる。

やっと「ハクサンイチゲ」の群生に会えるかな・・・?

次回 「エゾアジサイ & ハクサンイチゲ ~月山 ②~」へ続きます

ご訪問ありがとうございました


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コメント 16

夏炉冬扇

お早うございます。
別世界ですね。
空気もいいでしょう。
by 夏炉冬扇 (2014-07-11 07:50) 

よしころん

おはようございます♪
michiさんは月山だったのですね~~
今度こそ!!
by よしころん (2014-07-11 08:16) 

mimimomo

おはようございます^^
月山は花盛りですね~♪ これだけ沢山のお花が見られて幸せですよね^^
先日、浅草岳に登った時に見た蘭が、そのとき名前を聞いたのにどうしても思い出せなかった。どうやらノギラン(ひょっとしたらネバリノギラン)のようです。ありがとうございました。
by mimimomo (2014-07-11 08:28) 

OJJ

素晴らしいの一言ですね~こういう景色、花たちを見たかった~
2,3年前に行ったときは3日とも雨で出羽三山では散々でした・・泣)
by OJJ (2014-07-11 10:12) 

旅爺さん

出羽三山を回りながら月山もたっぷり楽しんでみたいです。
今夏には行って見たいですね。
by 旅爺さん (2014-07-11 10:49) 

g_g

エゾアジサイが綺麗に咲いてますね、もうハクサンフウロも咲いている
オウレンはもしかしてミツババイカオウレンでは(別名コシジオウレン)?
随分その他にも咲き出してますね、行ってみたくなりました。
一昨年体調が悪いときに行ったので少しトラウマになってます。
by g_g (2014-07-11 10:59) 

せつこ

月山はお花畑でしたか、今年は行ってみようかな@@
by せつこ (2014-07-11 11:26) 

michi

こんにちは。台風が去り、また暑さが戻ってきました。畑や中庭の植物はこの変化についていかないかもしれませんね。

ご訪問&Niceありがとうございました。
夏炉冬扇さん:梅雨の合間を縫っての登山でした。いい出会いがたくさんありまでした。

よしころんさん:よしころんさんは”早池峰山”でしたね、たくさんの花との出会いがあったのでしょうね。私もまた行きたくなりました。

mimimomoさん:浅草岳でしたかmimimomoさんは。あまり目立つ花ではないですね、この花は。粘りはありましたか?
私は来週は草津白根山のコマクサを見に行く予定です。

OJJさん:さんざんな”出羽さんざん”でしたね。また挑戦してみてください。この時期が一番花がたくさんですね。

旅爺さん:ぜひ羽黒山~湯殿山~月山と、出羽三山を楽しんでください。

g_gさん:”ミツババイカオウレン”というのがあるんですね。ありがとうございます。さっそく調べてみます。花びらが”ミツバオウレン”とは違う感じなんです。ありがとうございます。

せつこさん:花のいい時期でした。8合目より上はお花畑が綺麗でした。

ご訪問ありがとうございました。
xml_xslさん

tochiさん

シラネアオイさん
by michi (2014-07-11 13:18) 

michi

g_gさん:撮った写真を調べてみました。ご指摘のように”ミツバノバイカオプレン(コシジオウレン)”の様ですね。ガク片の形、茎の色(緑ではなく、茶色)、葉の形から判断しました。コレクションが増えました。ありがとうございました。
by michi (2014-07-11 13:54) 

ひろたん

綺麗ですよね~~~
この時期がお花がたくさんですね。

by ひろたん (2014-07-12 09:29) 

g_g

michiさん
花名はっきりしたようで良かったですね
僕も花名では時々悩むことがあります。
by g_g (2014-07-12 17:29) 

ぶらり爺

自然の豊かな所で 育む植物にめぐり会う 素晴らしいなあ~^^♪
by ぶらり爺 (2014-07-12 19:12) 

ふーみん

月山 8合目まで車で行けるのですね。
夏山のお花素敵ですね。下界のとはどこかちがいますね。
ウラジロヨウラク 何とも言えないピンクいい色ですね、
by ふーみん (2014-07-12 20:54) 

Baldhead1010

雪の残る山、こちらでは滅多に見られませんのでうらやましい^^

高い山も時間に余裕があれば、じっくり撮影しながら楽しめそうです。
by Baldhead1010 (2014-07-13 05:18) 

ぶらり爺

流石 花の百名山 自然豊かで 素晴らしい^^♪ 
by ぶらり爺 (2014-07-13 08:24) 

michi

こんばんは。
ひろたんさん:紫陽花の時期が過ぎると、途端に種類が減ります。寂しいですね、庭からいろんな花が消えてしまうと。

g_gさん:私なんかは悩むことばかりです。毎年同じ花を見ていても、観点が悪いんでしょうね。「コシジオウレン」は初めて違いを認識しました。

ぶらり爺さん:やはり自然の中でみると違いますね。時期が来ると、あの山の「***」に会いに行こうということになります。

ふーみんさん:ウラジロヨウラクは雨にぬれてもいい絵になります。といっても、雨の中を歩くのは嫌ですが。

Baldhead1010さん:いろんな山へ行きたいのですが、花の時期が一緒になるので、今年はこの山・来年は***、というように、足腰が元気なうちは行くつもりです。

ご訪問ありがとうございます。
グリーンさん

yohtamboさん

mickyさん

大和さん

いっぷくさん

by michi (2014-07-13 18:35) 

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