☆☆☆☆☆ 8.氷河の跡をたどる ~パステルツェ氷河~ ☆☆☆☆☆
パステルツェ氷河の跡をたどるトレッキングルート(現地看板から)
フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ展望台(標高2,451m 右端)から氷河ケーブルカーで氷河近くまで降りる。そこから、Sandersee(サンダー湖)~Margaritzen Speicher(マルガリッシェン・シュタウ湖)を通り、グロックナー小屋(標高2,132m)までの5.1kmを歩く。途中アップダウンがあるので、標高差約500mのトレッキングとなる。
フランツ・ヨーゼフス・ヘーエの展望台へ向かう
眼前に主峰グロースグロックナーの勇姿、眼下にパステルツェ氷河の流れた跡(川や湖となっているところ)が見える。
パステルツェ氷河 と グロースグロックナー展望台
宿泊地ハイリゲンブルートから北方向に有料道路グロースグロックナー山岳道路が延びている。その途中からフランツ・ヨーゼフス・ヘーエ展望台へ向かう道路が分岐している。ハイリゲンブルートからはおよそ30分の道のり。
・・・ マーモット発見!! ・・・
展望台へ向かう道路の斜面に向かう途中、みんなが注目している。
マーモットが見えた・・・!
望遠で捉えた画像を・・・トリミング
確かにマーモットが動いている
目の前に来たマーモット(見事に捉えた・・撮影は私の相棒・・)
・・・ ケーブルカーで氷河に近づく ・・・
氷河ケーブル
1850年代に氷河へ降りるケーブルカーができた。ケーブルカーは標高差300mを一気に下る。当時は終点駅付近まで氷河があったが、今はかなり上の方に後退している。パステルツェ氷河は1年に10というかなりの速さで後退しているらしい。
氷河ケーブルを降りた地点から氷河を眺める
現在の氷河の末端はかなり上の方に見える。残念ながら今回氷河の上を歩く計画がなく、このまま流れた跡をたどって下ることになる。
1965年の氷河の末端位置
後退した氷河を年代別に記した表示板があり、後退する氷河の速さを知ることができる。1年に10mというのは驚異的な早さだ。
氷河末端付近に円形模様が・・・?
氷河の流れは白い部分だけでなく、黒っぽいところも表面が崩れた岩屑に覆われているだけで、下には氷が存在するのだろう。左下の円形の模様はクレパスが円形に走っているのだろう。近づくと危険な場所ということだ。
湖のまわりにあるモレーン
氷河の末端部を過ぎると湖のまわりが小高い丘になっている。これは氷河に削り取られた岩石や岩屑などが押し流されてきて、氷がとけるとそこに積もってできた地形。モレーンはあちこちに見られ、堆積した土砂の上はお花畑になっている。
・・・ 氷河の流れた跡に咲く花 ・・・
アンティリス属 ~Anthyllis vulneraria~(マメ科)
ユキノシタ属 ~Saxifraga aizoides~(ユキノシタ科)
シオガマギク属 ~Pedicularis kerneri~(ゴノノハグサ科)
クワガタソウ属 ~Veronica fruticans~(ゴマノハグサ科)
チャボギキョウ(キキョウ科)
氷河の消えた跡・・・遠くにヨハニスベルグ山
氷河から流れ下る水が所々で湿地となっている。そこには "ワタスゲ" の白い綿毛が揺れている。
湖面に映るグロースグックナーとヨハニスベルグ(マルガリッシェン・シュタウ湖近く)
コウメバチソウ(ウメバチソウ科)
ウメバチソウとの違いは、黄色の腺体がある仮雄蕊が9裂していること(ウメバチソウは15~22裂)
ミミナグサ属 sp (ナデシコ科)
蕾の時にはピンクが目立つ。こんな "ミミナグサ” は始めて見た。別種か・・?
ナデシコ属 sp (ナデシコ科)
タカネツメクサ属 sp (ナデシコ科)
大きな岩が埋もれている・・まわりとは違う岩のようだ・・・モレーンだろうか?
タマザキクサフジ属 ~Securigera varia~(マメ科)
バルトシア属 ~Bartsia alpina~(ゴマノハグサ科)
エーデルワイス(キク科)
シオン属 ~Aster alpina~ ~A.bellidiastrum~ (何れもキク科)
ユキノシタ属 ~Saxifraga stellaris~(ユキノシタ科)
ユキノシタ属 ~Saxifraga paniculata~(ユキノシタ科)
クモノスバンダイソウ属 ~Sempervivum sp.~ (ベンケイソウ科)
クモノスバンダイソウ属 ~Sempervivum montanum~ (ベンケイソウ科)
基の方に緑色の球状~星状のロゼットが見られる。
マルガリッシェン・シュタウ湖周辺にはカ ウベルをぶら下げた牛たちが群れている
オヤマノエンドウ属 ~Oxytropis campestris~(マメ科)
ニグリテラ属 ~Nigritella nigra~(ラン科)
マルガリッシェン・シュタウ湖を見下ろす ~フウロソウ属の花~
湖面周遊道路から、トレッキングの最終目的地 ~グロックナー小屋~ へと崖道を登る。対岸に見える岩山の間を抜けて、湖岸を半周してきた。終点まであと僅かのところで斜面を飾るお花畑の中を進む。
ミヤマツリガネソウ(リンドウ科)と "魔女の爪(タマシャジンの仲間)"
不明種・・・・・?
ハンニチバナ属 ~Helianthmum nummularium~(ハンニチバナ科)
グロックナー小屋前の ~グロースグロックナーを望む "モニュメント” ~
15:00 トレッキングの目的地 "グロックナー小屋" に到着。氷河の流れた跡をたどるツアーは、昼食を含めておよそ5時間の行程だった。氷河には近づかなかったものの、流れ下る豊富な水量に支えられて咲くたくさんの植物と出会うことができた。
今日が最後のトレッキングとなりました。
"チロル・ドロミテを歩く” トレッキングを合計8回のブログで皆さんから見ていただきました。同じような画像の繰り返しとなってしまったことをお詫びいたします。
この後、2泊してから帰国となります。
パステルチェ氷河跡たどった後は、前日に続いてハイリゲンブルートに宿泊。翌朝グロースグロックナー山岳道路を北上、ハルシュタット湖畔を散策します。山岳道路の景観もハルシュタット湖の眺めも素晴らしいものでした。その後ザルツブルグに1泊してから帰国の途につきます。
長~くご覧いただきまして、ありがとうございました。
しばらくの間 夏休みといたします。
ご訪問ありがとうございました。