--- 栽培している花中で低地や丘陵などに見られるもの ---
「ヤエドクダミ」 (八重毒痛み)
茎先に八重咲きの白い花をつける。花びらのように見える白い部分は総苞で、真ん中に見える黄色い部分が花。花弁も萼片もない。最近やっと我が家の中庭にも仲間入りした。
「ベニバナヤマシャク」の果実 絶滅危惧ⅠB類
「ヤブレガサ」
春先の葉が展開する前の若芽は山菜として食用にされるというが、私は食べたことがない。年数がたち、栄養が蓄積されて初めて花茎が立ち上がり花をつける。
「カラスビシャク」
春から夏にかけて、花をつけるが形がおもしろい。花序の付属体は長く糸状に真っ直ぐのび、“ウラシマソウ”を小さくした形に見える。苞の部分を”烏が使う柄杓(小さいひしゃく)”に見立てたという。根茎の部分は「半夏(はんげ)」と呼ばれ、漢方薬になる。
「ホザキシモツケ」 絶滅危惧Ⅱ類
日光戦場ヶ原ではまだ咲き始めで、ここ仙台野草園で穂が一斉に立ち上がる様子がみられるのかと楽しみにしていたが、あまり変わらない状態だったのが、ちょっとがっかりだった。
「バライチゴ」
びっしりと実の付いた状態を見たかったが、こんな状態だった。
日光植物園でみた花
「イタチササゲ」
花は、最初淡黄色だったものが黄褐色に変わっていく。名前はイタチの毛が黄赤色と言うことになぞらえたものだろうと、ある図鑑には書かれている。なかなか鼬(イタチ)を連想することは難しいが、一度見たら忘れられない花だ。
--- 少し特殊なもの ---
「ハンゲショウ」 (半夏生 別名をカタシログサ-片白草-)
本州以南など東アジアの亜熱帯性湿地の日の当たる湿地など群生する。ドクダミ科の草本。日本では近年減少傾向にあり、絶滅が懸念されている。夏至から11日目を半夏生というが、この半夏生のころに花を開き、葉が白くなるからこの名が付いたという。
「トキホコリ」
北海道から本州の平地の湿った所に生える、地味で目立たない日本特産の一年草。仙台野草園で栽培保存している絶滅危惧植物。写真の草丈は10cmくらいで、葉はウワバミソウに似ている。何年か前に園内の2か所で自生が確認されたということで、大変貴重な栽培種となっているようだ。
同じイラクサ科のヤマトキホコリは“アオミズ”として、私が毎年春の時期に近くの林床で採取している山菜。(本来のアオミズは別種である)こちらはたくさんある。“ウワバミソウ”は“アカミズ”とか“ミズ”と呼ばれ、こちらも山菜として流通している。
---少し高い山に生育する花も栽培している---
「ホソバトウキ」
北海道の蛇紋岩地帯に見られるセリ科植物で、葉の裂片は細長く、縁に規則正しい鋸歯がある
「トウキ」
本州中部地方以北の山地の岩の間などに自生し、セロリに似た強い芳香がある。
「ミヤマトウキ」 (別名:岩手トウキ、南部トウキ 2012.8.11早池峰山)
北海道や本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の岩礫地などに生育する多年草。トウキ、ホソバトウキ、ミヤマトウキは、同じような強い香がある。葉の形などから分類できると言うことだが、私には??
「ハコネコメツツジ」
箱根を中心とした本州、伊豆諸島の山地の岩場に生育する。絶滅危惧Ⅱ類。花の根元が羽毛のようなもので包まれている。
「コメツツジ」 (霧降高原7/7)
北海道から九州の山地帯~高山帯の岩隙や岩礫地に生育する落葉低木。山を歩いていると、緑一色の中に、時には赤みを帯びる真っ白な花びらがよく目立つ。
---亜高山帯~高山帯に生育する花も栽培している---
「キンロバイ」 (金露梅)
北海道から本州北部の亜高山帯~高山帯の岩礫地に自生するバラ科の落葉低木。絶滅危惧Ⅱ類。梅に似た黄色い花を咲かせるが、白花種もありハクロバイまたはギンロバイとよばれる。
岩にしがみつきながら枝を伸ばしている「キンロバイ」
「チシママンテマ」
北海道の東部や礼文島などに自生するナデシコ科マンテマ属の多年草。 絶滅危惧ⅠA類。この花に似た草花を見ているが、どうも名前がはっきりしない。写真下右が一番“チシママンテマ”に似ているが、本当のところはよく分からない。
「サクラマンテマ ?」 2012.7.26
大雪山黒岳ロープウエーの乗り場付近にたくさん咲いていた同属の花。花の色が二種類あった。「サクラマンテマ?」ではなく、外来の園芸種のような気がする。下のシラタマソウも同属の似た花である。
「シラタマソウ」 (北欧 2012.7.1 これは間違いなくシラタマソウ)
「ビランジ」
山地~亜高山。岩礫地
本州(関東~中部地方)山地~亜高山。岩礫地
本州の山地~亜高山帯の日当たりのよい岩場に生える多年草。南アルプス、白山などの高山の岩場や砂礫地に生育する“タカネビランジ”は同じナデシコ科マンテマ属である。
北欧では、道路脇になにげなく“ビランジ”や“ムジトリスミレ”などの高山の植物が咲いている。さすがに緯度の高い地方では亜高山帯や高山帯が低い所まで下がってきているんだと感心した。礼文島でも“チシママンテマ”などの高山植物が低地で見られるのも納得である。
野草園散策はこれで終わります
ご訪問ありがとうございました