「立山室堂に広がるお花畑」(後ろは立山三山)
「室堂山荘」を左手に見ながら、お花畑が続く。チングルマやコイワカガミ、ミヤマキンポウゲ、ヨツバシオガマなどが一斉に花開いている。(でも、心なしか花数が少ないような・・・・・?)
「イワイチョウ」(ミツガシワ科)
雪が消えたばかりの湿ったところに、イチョウの葉に似た青々とした葉を一斉に広げる。20~50cm位の花径の先に、白色の花を数個つける。
「ミヤマキンバイ」(バラ科)
雪田の周辺には、黄色の花があちこちに群落をつくる。
ミヤマキンバイは、北海道や本州の中部地方以北の高山帯の砂礫地草地、雪田周辺に大群落を作ることが多い。高山帯のお花畑では、雪がとけ始めると赤や白、黄色や青、紫やピンク色などの花が一斉に開花する。
初夏の登山の楽しみの一つは、お花畑にある。
「一ノ越分岐 ~標高2,700m~」
室堂(標高2,450m)を出てから約250mを登ってことになる。ここまで約3時間。(写真を撮りながらなので、コースタイムの倍以上の時間がかかっている。ちょっとかかりすぎかな?)ここから道は右へ。
一ノ越付近から室堂平を振り返る
「ウラジロタデ」(タデ科)
高山帯~亜高山帯の砂礫地や岩礫地に生える多年草。花は黄白色だが、咲き終わる頃には花序が赤網を帯びる。葉の裏が白っぽいので「裏白蓼」と呼ばれる。
「ウラジロナナカマド」(バラ科)
「ウラジロナナカマド & タカネナナカマド」(バラ科)
ウラジロナナカマドの花は上を向いて咲き、実になっても垂れ下がらない。しかし、タカネナナカマドは横向きから垂れ下がって咲く。(ミヤマナナカマドも垂れ下がらい)
「チングルマ」(バラ科)
チングルマはこの花だけで大群落をつくることが多く、雪のとけたあとの乾きやすい砂礫地に白色(中央には黄色の蕊があるが)がよく目立つ。緑と白・黄色のお花畑が広がる様は圧巻である。「タテヤマチングルマ」を求めて今回の登山を企画したのだが、残念ながら見つからなかった。
前述「花の百名山」には室堂付近にもあると書いてあったが、今はもう絶えてしまったのだろうか。弥陀ヶ原にはあるとのことで、いつかそちらを歩いてみることにする。
一ノ越から龍王分岐に向かう尾根道で、後方立山雄山(3,003m)を振り返る。雄山は10数年前に通過していえる。(当時は剱山荘で一泊、「室堂~立山三山~剱岳~室堂」というコースで回っている。)
龍王分岐まで上がると、立山三山の後方に剣岳(画面中央 2,998m)が顔を出す。
龍王分岐から眺める 雄山(画面左手) & 後ろ立山連峰~針ノ木岳~(画面右手奥)
龍王分岐付近のお花畑
***** ツツジ科の仲間たち *****
「ハクサンシャクナゲ」
低地のシャクナゲ(もちろんセイヨウシャクナゲも)に比べて派手さはないが、薄ピンクの花は緑の中な清楚なに感じがする。高山帯のハイマツ林の中に混在していることが多い。
「ニッコウキバナシャクナゲ」(?)
ハクサンシャクナゲとキバナシャクナゲの交配種らしいが、詳しくは・・・・・?
岩の隙間に張り付いている「コケモモ」
大雪山のコケモモに比べて花の色が薄いのではないだろうか?
濃い色の花をを探してみたが、せいぜいこのくらいであった。やはり薄い・・・!!
「クロウスゴ」
この ”ツツジ” は岩のわずかな隙間に入り込んでいる。実付きは決して良くない。わずかな隙間を見つけて根を張り、花を咲かせ、実をつけている。でも、きっと何かの生き物のエサになっているのだろう。
「ツガザクラ」
ツガザクラ属の仲間では3種類が分布しているようだ。ツガザクラとアオノツガザクラ、両者の雑種であるオオツガザクラの3種。種間雑種ではいろんな段階の花があるように思える。
「アオノツガザクラ」
これはアオノツガザクラの典型的な花かもしれない・・・?
「オオツガザクラ(?)」
花冠は若干赤みを帯びた白色で細長い壺型。萼は有毛。これはアオノツガザクラなのかな・・?
「アカモノ」
このほかのツツジ科としては、ウラシマツツジやミネズオウなどがあったが、花はみられなかった。
***** ***** ***** ***** *****
獅子岳の下りのお花畑
前方に五色ケ原と鷲岳、鳶山、そしてその向こうに薬師岳(右端)、遠くに北アルプスの笠ケ岳、槍ヶ岳などが顔を見せてきた。お花畑は狭く、花の種類は僅かだ。(ピンク:コイワカガミ 白:チングルマ)
「コイワカガミ」(イワウメ科)
剱岳、雄山を眺める尾根道のお花畑。乾燥した草地にコイワカガミのピンクだけが目立つ。
こちらはやや湿った草原。後ろにハイマツの林。コイワカガミが咲き始めたところのようだ。
「コガネイチゴ」(バラ科) 葉はよく見ると深い切れ込みのある3枚。
「ヤマハハコ」(キク科)
「タカネヤハズハハコ」(キク科)
立山連峰には「ミネウスユキソウ」が分布しているということだが、今回はウスユキソウ属の仲間には会うことができず、ヤマハハコ属の2種だった。タカネヤハズハハコの花(総苞)の下部が赤みを帯びているのが印象的だった。
宿泊地 ~ 五色ケ原山荘 ~が見えてきた(「龍王分岐」付近より)。
暑い日でした。顔中が真っ赤に 明日も晴れてほしい・・・!
手前左端:鬼岳(2,750m)と獅子岳(2,714m)
中間右端:五色ケ原(平坦な部分)と鷲岳(2,617m)鳶山(2,616m)
奥 右端:薬師岳(2,926m)
最も奥中央:笠ケ岳 左:槍ヶ岳・穂高岳
***** おまけ ・・玄関前 8月14日・・ *****
8月に入って、中庭からは花が消えてしまった。かろうじてこんな”花”が、今の玄関前を飾っている。
「ギボウシ」 「ハツユキカズラ」
次回 室堂~五色ケ原」散策 (その2)へ 続きます
ご訪問ありがとうございました