「目指す月山山頂(右端 標高:1,984m)」(2011.7.17撮影の山頂)
1.まずは 月山山麓で
「エゾアジサイ」
エゾアジサイはガクアジサイの仲間とされている。装飾花の色が”薄水色”で、周りの濃い緑の中でひときわ目立つ。3年前の同じ時期に登った時の吸い込まれそうな透明感のある水色に、今年も出会うことができた。
月山のもっともポピュラーなコースは8合目まで車で進む。この道路の5合目付近、車で通過するブナ林の中にエゾアジサイが密生している。(自生ではないのだろう?)我が家の中庭で見ているヤマアジサイの仲間とは違って、清楚な感じがするところがいい。
2.8合目 月山高原レストハウスは車の終点・・・ここから山頂を目指す・・・
***** ① 8合目付近からの眺め *****
鳥海山を眺める ・・今日は山頂が雲に隠れている
月山8合目は標高1,400m。ここから9合目の仏生池小屋(標高1,750m)まで約1時間半。(もちろん周りを眺め、写真を撮りながら登る)途中の鶴岡で用事を済ませてきたので、歩き始めは10時15分と絵で遅れてしまった。
「弥陀ヶ原」散策マップ
「弥陀ヶ原から山頂方向を見上げる」(山頂は中央の雲の後方)
「弥陀ヶ原」を振り返る
8合目~9合目までの前半にある弥陀ヶ原には大小さまざまの池塘が点在し、その周辺にお花畑が広がっている。少し外れるとスキーを楽しむことのできる雪渓がひろがっている。雪消えとともに、ヒナザクラやチングルマなどの高山植物が、今まさに旬を迎えている。
***** ② 湿原周辺のお花畑 *****
「池塘とその周りのお花畑」
「イワイチョウ」
イワイチョウはミツガシワ科の多年草
北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯のやや湿ったところに群生
「トキソウ」(ラン科) (すこし、色が薄いようだ)
「ネバリノギラン」 (ユリ科)
山地帯~高山帯の湿った草地に生育する日本固有種。花の上部は粘っている。
「コバイケイソウ」(ユリ科)
北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の草地に群生
「ニッコウキスゲ」 (ユリ科)
コバイケイソウもニッコウキスゲも以前に比べて花が少ないように思える。これからなのだろうか?
「ヨツバシオガマ」(ゴマノハグサ科)
弥陀ヶ原の木道を歩いていると、池塘周辺の湿ったところにイワイチョウに混じって咲いている。
「ミヤマシオガマ」(ゴマノハグサ科)
ヨツバシオガマもミヤマシオガマも、北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の草地に生育するが、後者のほうがより高いところに適応しているのかもしれない。(上の画像は9合目を越えてからの撮影)
「オオバスノキ」 (ツツジ科)
北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の低木林の林縁に生育。果実は黒紫色に熟す。
「マルバシモツケ」(バラ科)
北海道と関東・白山以北の亜高山帯~高山帯の岩礫地、ハイマツの林縁など日当たりのよいところに生育。
「ミヤマヤナギ」(ヤナギ科)
北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の低木林や林縁に生育。綿毛に包まれた種子。
「ウラジロヨウラク」(ツツジ科)
北海道と本州・四国の山地帯~高山帯のやや湿ったところに生育。
花冠は長さ1~1.5cmほどの筒形。ガク片が短いもの(左)と長いもの(右)が混在している。ガク片の長いものをガクウラジロヨウラクと分けることもあるようだが、よくわからない(ガクウラジロヨウラクのガクはもっと長かったようにも思う)。
オオバスノキやマルバシモツケ、ミチヤナギ、ウラジロヨウラクなどの低木は湿原の周辺や、湿原から山地へと移り変わるところに生育していて、この時期は登山道に沿っていろんな花がみられる。
なだらかな 尾根歩きが続く
***** ③ 9合目・仏生池付近のお花畑 *****
仏生池小屋まであと一歩のところ・・・今年は雪渓が広がっている
まだ雪がとけたばかりのところと乾き始めたところ・・・そんなところにある花
「ウサギギク」(キク科)
北海道と本州中部地方以北の高山帯の草地に生育する。緑の中で黄色がよく目立つ。
「ベニバナイチゴ」(バラ科)
北海道と中部地方の日本海側の亜高山帯~高山帯の林縁や渓流沿いに生育する。イチゴの味はいまいち。
「ハクサンフウロ」(フウロソウ科)
本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の草地に生育する。
「ツマトリソウ」(サクラソウ科)
北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯~高山帯の林床に生育する。
「カラマツソウ」(キンポウゲ科)
北海道と本州の亜高山帯~高山帯の草地に生育する。
「シラネアオイ」(キンポウゲ科)
「ゴゼンタチバナ」(ミズキ科)
北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯~高山帯の林下や林縁に生育する。
弥陀ヶ原を過ぎると湿原を離れ登山道は登り一方となる。仏生池小屋の上では雪渓を何回か横切る。小低木の間を登る登山道では、林縁には上の画像のような花が咲競っている。
「ショウジョウバカマ」(ユリ科
雪がとけたばかりのところで、重い雪に耐えてきたかのように花をやっと持ち上げている。
「マイヅルソウ」(ユリ科)
「ミツバオウレン」(キンポウゲ科)
「ミツバノバイカオウレン」(キンポウゲ科)
北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯~高山帯の針葉樹林の林内や林縁に生育する。
根生葉は3出複葉で確かに三葉黄蓮だが、花は梅花黄蓮によく似ている。
ガクの形・茎の色・葉などから「ミツバノバイカオウレン」でした。
g_gさんからご指摘を頂き、ありがとうございました。
「ミヤマナナカマド ?」(バラ科)
木は登山道わきにも多く見られるが、花は少ないようだ。
「ミネカエデ」(カエデ科)
北海道と本州中部地方以北、四国の亜高山帯~高山帯の主に針葉樹林の林縁に生育する。
雌花 と 雄花
9合目を越えると、雪渓の周囲に、また違ったお花畑が広がる。
やっと「ハクサンイチゲ」の群生に会えるかな・・・?
次回 「エゾアジサイ & ハクサンイチゲ ~月山 ②~」へ続きます
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