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世界遺産 見て歩き ~その1~ [旅]


南イタリアの世界遺産 

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その 1
  ~① ポンペイ~
その1
 ~② パレルモ・モンレアーレ~






    その1 ~① ポンペイ遺跡~

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世界遺産 火山で滅びた幻のローマ都市  ~ポンペイ遺跡



イタリアのナポリ近郊にあった古代都市~ポンペイ~はローマの人たちの余暇の地として繁栄していた。79年のヴェスビオ山の大噴火によって、町全体が一瞬にして5mもの深さの火山灰の降灰や火砕流に呑み込まれてしまった。


長い間、古代の品が時々見つかり地下に都市が埋まっていることは知られていた。18世紀になって、当時の都市の全容を明らかにしようと断続的に発掘が行われてきた。現在も発掘・整理が行われている。


 



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マリーナ門 (右端に入口2カ所 大きい方が人、小さい方が馬)



ポンペイ遺跡は、古代ローマの都市とそこの生活ぶりをほぼ完全な姿で今に伝える貴重な遺跡。


マリーナ門から始まるポンペイ遺跡の様子(ほんの一部ですが)



宜しかったら・・・・・続きをご覧ください。



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ポンペイの中心の公共広場 ~フォロの列柱廊跡~

マリーナ門から入るとポンペイの中心の多目的広場~フォロ~に出る。背景の山はヴェスビィオ山(標高1,281m)。マリーナ門は海側に位置しているので、ナポリ湾で水揚げされた海産物を積んだ荷馬車がこの広場を行き交いしていたのだろう。




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住居が建ち並ぶ ~ヴェスビオ通り~

ポンペイはナポリ湾に面した風光明媚な土地。最盛期にはおよそ2万人もの人々が温暖な気候の下でパンを焼き、ワインを飲み、楽しく暮らしていたという。西暦79年8月24日のお昼過ぎ、そんな街をヴェスビィオ山の大噴火が襲った。 




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車道(馬車道)と歩道

イタリア半島の南北を結ぶ中継点として繁栄していた古代都市~ポンペイ~。都市では、現在の原型となる道路ができあがっていた。車道には石がきちんと敷き詰められ、馬車が頻繁に通っている所は轍がクッキリとしている。また、車道の両端が低くなっていて雨水が流れやすくなっている。




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横断歩道

歩道は車道より一段高くなっていてる。車道にも一段高い敷石(横断歩道)があって、雨が降り続いても歩きやすい工夫がされている。





浴場は男性用と女性用が区別されている。それぞれに脱衣室や冷浴室、微温浴室、高温浴室等がある。上の写真は男性用の高温浴室の脇にある大理石製の水盤。中央に噴水があり、水を飲んだり熱くなった身体を冷やしていたという。保温性を重視したためか窓の少ないつくりだったが、ここには大きな天窓が明けられていて明かりが入ってきている。




22-3浴室天井.jpg脱衣所の天井

22-4天井を支える像.jpg脱衣所の側面

アーチ型天井(2枚上の画像)と、その下(上の画像)には男性像の装飾が上の屋根を支えるように並んでいる。浴場は単なる銭湯ではなくお洒落な社交場だった。




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居酒屋

浴場の前には“居酒屋”がある。風呂上がりに一杯飲む(もちろんこの時代は~ワイン~)。いつの時代も同じことなんだろう。あの釜で何を料理していたのだろうか、興味が湧く。




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パン屋さん

手前は“石臼”。奥の方には“パン焼き釜”。ピザ焼き釜の原型はこの頃にあったと言うことなのか。




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悲劇詩人の家

この家の名は、ギリシア悲劇の稽古場面を描いたモザイクも発見された(見ることができなかった)ことから名付けられたという。玄関前にたつと、床下の“猛犬注意” のモザイク画が目につく。猛犬を飼っている家の玄関には普通に猛犬注意のためのモザイク画があるという。このような建物がこの地域の標準的な建物という。




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モザイク画

古代ローマの人々は モザイク画やタイル画、壁画などが大好きだったのだろう。




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色彩豊かな壁画もある。こういう色鮮やかな壁画は裕福な家庭で好まれたという。娼館にも色鮮やかな(艶めかしい)色彩の壁画が刻まれている。もちろんここも、一般に開放されている。




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大劇場

古代ローマでは福祉や娯楽が充実していたという。この大劇場では、どんな喜劇や悲劇が上映されていたのだろうか。現在、この劇場では夏の間に野外コンサートやオペラが行われているらしい。



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大劇場に隣接する ~剣闘士の宿舎~

剣闘士は周りの牢屋のような場所に閉じ込められて、日々命をかけた戦いを強いられていたのだろうか?




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整理中の遺物 ~死者から型どった石膏像~

ポンペイは、ヴェスビオ山の噴火によってその開始からわずか19時間で滅亡したと言われている。火山灰は一気に街を飲み込み、命を落とした人々の姿をそのままの形で灰の中に閉じ込めていた。犠牲者の石膏像は今では1,000体以上に登るという。




僅かな滞在時間で遺跡のほんの一画を垣間見たに過ぎず、古代都市の生活に思いを馳せるには心許ないものがある。しかし、自然の驚異を思い知らされるには十分な見学だった。




☆☆☆☆☆ ナポリの夕食 ~大きさに圧倒される~  ☆☆☆☆☆

夕食カプリチョーザピザ_02.jpgカプリチョーザ

シチリアに渡る夕方、ナポリしないのレストランで夕食をとる。前菜の後に出たピザに恐れをなしてしまった。我が家では三人で食べるくらいの大きさなのだ。味は大変いいが、・・・・・食べきれない。結局は“ミミ”の部分を残してしまった。

☆☆☆☆☆ もったいなかったなあ~~~~~! ☆☆☆☆☆





    その1 ~② シチリア島ーパレルモ・モンレアーレの世界遺産


シチリア島は地中海のほぼ中央に浮かぶ島で、三千年の昔からギリシャやローマ、イスラム、ノルマン、スペインなど様々な国のの人々が行き交ってきた。まさに~地中海文明の十字路~である。
ナポリから船でシチリア島~パレルモ~に渡る。
シチリアの各地で世界遺産を見る。




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モンレアーレ大聖堂

パレルモから僅か8km程離れた街“モンレアーレ”にたつ、ノルマン建築様式の代表的な建築物の一つ。パレルモ建造物群などとともに、世界遺産リストに登録。教会の配置は正教会建築とカトリック教会建築の折衷となっている。



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壁面を覆いつくす金箔のモザイク

現存する教会の中でも世界一モザイク装飾表面積が大きいと言われているだけあって、さすがに目を奪われてしまう(時間がないのが羨ましい)。




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壁面を装飾する華麗なモザイク画

壁面にはそれぞれ聖書の物語が描かれている。身廊部分には“アダムとイブ” や “ノアの箱舟”、“バベルの塔”など旧約聖書が描かれている。こちらのモザイク画も見応えのあるものだ。



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最後の晩餐を描いたモザイク画




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パレルモの大聖堂(カテドラーレ)

カテドラーレ大聖堂は4世紀頃キリスト教の教会として建てられた。その後、イスラムやノルマンなどの支配下で度重なる改修や増築が繰り返されてきた。これはパレルモの歴史を物語る代表的建築物といえる。




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ノルマン王宮

王宮はカルタゴ人が天然の良港に~パレルモの基となる交易地~を築いた紀元前8世紀頃の城砦に遡る。その後ローマ帝国~ビザンチン帝国~アラブの時代を経て、12世紀にノルマン人のシチリア王~ルッジェーロ2世~が改修したアラブ・ノルマン様式の代表建築。




53-2ノルマン王宮_07.jpgパレルモ市の紋章

王宮入り口屋根にある ~マヨルカ焼きの鷲~




    その1 ~付 録(世界遺産ではないが)

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近代パレルモの象徴 マッシモ劇場~

ヨーロッパで三番目に大きいオペラ劇場。1897年、ヴェルディの“ァルスタッフ”でこけら落としが行われる。建築資材から内装に至る殆どをシチリア産でまかなうなど当時のパレルモの経済的発展に寄与。その時代を象徴するのがマッシモ劇場。“ゴッドファーザーPart3” で撮影に使われた。



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クワトロカンティの ~恥の噴水~

クワトロカンティはパレルモの旧市街にある四つ角の交差点。その直ぐ近くにあるひときわ大きな広場(パレルモ市庁舎が面している)に “裸体の彫刻が乱舞するプレトリアの噴水” がある。16世紀後半、トスカーナの彫刻が設計したものだが、裸を嫌うシチリアのキリスト教徒には評判が良くなかったという。




シチリアの1日目前半が終わった。世界遺産の大聖堂のモザイク画に感動。時間の経つのを忘れて鑑賞。それでも、時の流れは速かった。


 


    その1 ~ おまけ 中庭 12月の花 

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キチジョウソウ

雨の午後 中庭を見ていると、落葉の絨毯の中から顔を覗かせている花穂が見えた。地面に積もった紅葉したモミジの中に薄紫色の花茎が立っている。“吉”という字があるので、縁起ものの花と言われている。果たして今年最後の月に何かいいことがあるのだろうか・・・?



ご訪問ありがとうございました。



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コメント 15

Mitch

自然の猛威と、歴史を同時に感じることのできる貴重な遺跡ですね。
訪れたことはありませんが、テレビで紹介された時など、つい見入ってしまいました。
by Mitch (2017-12-01 18:24) 

夏炉冬扇

神の島沖ノ島と関連遺産群の地は故郷です。
版画セットなぞ作ってもらってぎゃらりぃに置いてます。
by 夏炉冬扇 (2017-12-01 21:12) 

mimimomo

おはようございます^^
ポンペイに行ったのはもう26年ほど前ですが、あれから発掘調査が進んでいるのでしょうね。見なかったものが沢山!
パレルモも素晴らしい所ですね。モザイク画も見たいです。
by mimimomo (2017-12-02 07:08) 

g_g

おはようございます
見応えのある遺産ですね、それも歴史を感じる素晴らしい物ばかり
目の保養になりました。
by g_g (2017-12-02 07:37) 

よしころん

世界遺産巡り、よいですね~^^
いつかこんな旅、できるかなぁ…^^;
by よしころん (2017-12-02 08:58) 

OJJ

そう云えばイタリアも火山国ですね~当然地震も多いのでしょうヨ
by OJJ (2017-12-02 17:28) 

michi

こんばんは。こちらは昨晩から雪でした。今朝少し路面に残ってました。一日中みぞれ混じりの雨で寒いです。
朝、軽のタイヤを交換して隣の市まで“蕗谷虹児”(フキヤコウジ)記念館へ行ってきました。
・・・・・「金襴緞子の帯しめながら……」で始まる童謡・花嫁人形の詩の作者で画家・・・・・

Mitchさん:これで2回訪れましたが、広~い遺跡なので時間が足りませんね。壁画が素晴らしいです。

夏炉冬扇さん:世界遺産~『神宿る島』・沖ノ島と関連遺産群」~が故郷でしたか。行ってみたいところですね。

mimimomoさん:ポンペイは2度目ですが、まだまだ観たりないですね。この時期は観光客が比較的少なくて良かったです。

g_gさん:本当に見応えの世界遺産ばかりでしたね。少し雨にあいましたが、人が少なかったのでじっくりと見れました。

よしころんさん:トレッキングにはまっていたんですが、こんな旅もいいものですね。

OJJさん:つい何年か前に、イタリアで大きな地震がありました。ポンペイにも噴火の何年か前に大きな地震があったようです。おそらく火山性の地震だったのでしょうね。

ご訪問ありがとうございます。
@みっくさん

xml_xslさん

侘び助さん

絵留さん

ゆるりさん

水郷楽人さん


by michi (2017-12-02 17:51) 

いろは

こんばんは^^
今迄行った海外旅行の中で、イタリアが一番楽しかったです。
でもポンペイには行きませんでした^^
私は名画を観る旅でした。北から南まで15日間かけて回りました。
by いろは (2017-12-02 17:53) 

michi

いろはさん:イタリアの名画鑑賞の旅、素敵な旅だったでしょうね。私は今回が2度目のイタリアだったんですが、壁画、モザイク画、・・・などいろいろと堪能しました。パレルモやモンレアーレの大聖堂の天井画がホントに素晴らしかったです。

鉄腕原子さん:ご訪問ありがとうございました。


by michi (2017-12-02 18:44) 

旅爺さん

ポンペイの遺跡は10年程前に見てきました。
丁度ベスビオ火山が小爆発して山頂が赤い火を噴き出してるのが見られました。

by 旅爺さん (2017-12-02 19:20) 

ふーみん

こんばんは
ヨーロッパで勇逸旅したのはイタリア ポンペイです。
懐かしく嬉しく拝見しました。
by ふーみん (2017-12-02 22:32) 

Baldhead1010

ポンペイの埋没、雲仙岳の火砕流を思い出しますね。
by Baldhead1010 (2017-12-03 05:04) 

michi

旅爺さんさん:ベスビオス山の噴火に遭遇したんですね。赤い火をを見たなんて、恐ろしそうですね。

ふーみんさん:私もポンペイ2回目だったんですが、新鮮な気持ちでみてまわりました。

Baldhead1010さん:雲仙の記憶を、私も思い出しました。何年かして雲仙岳に行ったんですが、火砕流の流れる映像を思い出してしまいました。

ご訪問ありがとうございます。
kiyokiyoさん

めもてるさん

斗夢さん

ぶらり爺さん

stakaさん

ぼんぼちぼちぼちさん

花好き人さん

ありささん

by michi (2017-12-04 23:42) 

Jetstream

ナポリまでは数回云ってるんですが、仕事だったんでポンペイには行けませんでした。いいですね!
by Jetstream (2017-12-07 09:46) 

テリー

ポンペイは、いきましたので、大部分の写真は、見覚えあります。シチリア島は、行ったことがないので、興味深く写真を見させて戴きました。

by テリー (2017-12-07 10:43) 

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