”神々の田圃” ~苗場山~ [山を歩く]
神楽ヶ峰付近より見上げる苗場山(2,145m 10月8日)
「神々の田圃」を擁する不思議な山 と「週刊 日本百名山」(朝日新聞社)にある苗場山に一度は登ってみたいと想っていた。紅葉が里に近づいている10月8日、やっと目的を果たすことができた。
和田小屋から登ったが、このコースには途中の標識がよく整備されていた。
祓川コース (このコースを往復した)
かぐら・みつまたスキー場駐車場(1,223m) ~ 和田小屋(1,373m) ~ 5合半 ~ 6合目 ~ 6合半 ~ 下ノ芝 ~ 7合半 ~ 中ノ芝 ~ 上ノ芝 ~ 小松原分岐(2,002m)~ 股スリ岩 ~ 神楽ヶ峰(8合目 2,030m)~ 富士見坂 ~雷清水 ~ お花畑 ~ 9合目 ~ 雲尾坂 ~ 山頂(2,145m)
山頂付近の紅葉はもう終わっているだろうが、中腹付近は少しは期待して登ることにした。
・・・ よろしかったら 続きをご覧ください ・・・
和田小屋(標高1,373m)
a.m.7:25 かぐら・みつまたスキー場の駐車場を出発。林道沿いにゆっくりと登る。25分程度で和田小屋に到着。ここから暫くは、時々最上部のリフトを横に見ながら登ることになる。このリフトは動いていないので歩くしかない。
紅葉は・黄葉はどうだろうか ? そして花はまだ咲いているのかな ?
山頂まで 山の様子と咲いていた花を 時間を追ってまとめました。
***** 和田小屋までの林道 *****
コウメバチソウ(ウメバチソウ科)
林道脇にひっそりと咲き残りを発見。
仮雄蕊が枯れているのかはっきりと数えられなかった。9本らしかったのでコウメバチソウだろう。
フユノハナワラビの胞子葉(ハナヤスリ科)
栄養葉はない。胞子葉の上部の胞子嚢穂には円錐状に丸い胞子嚢がつき、秋に熟した後に枯れる。
***** 7:50 和田小屋通過(標高1,373m) *****
7:50 ここからが楽しみな山道に。
***** 5合目~6合目は紅葉・紅葉の盛り *****
標識「5合半」~「6合目」~「6合半」の付近では、ブナやナラの黄葉のトンネルをくぐり、鮮やかな彩りを見せるミツバツツジやウルシの木々を眺めながら進む。
「6合目半」付近では落葉が進んでいて、下草のクマザサなどの緑が一面に広がっている。
イワゼキショウ(ユリ科) & イワナシ(ツツジ科)
イワゼキショウの赤い実が目立つ。 イワナシは来年の花芽がしっかりとついている。
ゴゼンタチバナ(ミズキ科)
登山道では、このオレンジの実がよく目立つ。
***** 9:00 7合目下ノ芝付近(標高1,680m) *****
ミツバツツジ 鮮やかに紅葉する。
アカモノ(ツツジ科)
アカモノ(別名イワハゼ)は真っ赤な実をつけている。この実は食べられると言うが、まだ口にしたことはない。一度は食べてみたいと思う。真っ赤な実に混じって、白い花が一輪だけ残っていた。”アカモノ”とはいえ、萼が赤いが花びらは白いのでよく目立つ。
リンドウ(リンドウ科)
これも咲き残りの花。登山道ではあちこちに見られる。
ヤマハハコ(キク科)
よく見られる花だが、UPで見ると純白の総苞片(花弁のように見えるが、実は葉がへんかしたもの)が大変綺麗だ。
ミヤマウツボグサ(シソ科)& サワヒヨドリ(キク科)
両方とも咲き残り ・・・?
***** 9:40 中ノ芝付近(標高1,850m) *****
視界がグーンと開ける。
高層湿原が広がる。草紅葉の名残りが・・・
チングルマ(バラ科) & コイワカガミ(イワウメ科)
どちらも紅葉している。コイワカガミの花が1個だけ咲いている。
***** 10:00 上ノ芝付近(標高1,945m) *****
湿原には木道が整備されている。
湿原内には、ミツバツツジの時折鮮やかな紅葉が見られる。
***** 小松原分岐(標高1,990m)~股スリ岩 *****
すれ違った登山者に「股擦ったかね?」なんて聞かれたが、何事もなく通過しているので「・・・?」。何とも答えようがなかった。
神楽ケ峰が見えると、もう山頂近くだなあ~という感じがしてきた。
***** 10:25 神楽ケ峰(標高2,029m)~ 9合目 *****
アザミ(キク科)& ツルリンドウ(リンドウ科)
アザミの種名は・・・? ツルリンドウの実はあちこちに見られる。
マイヅルソウ(ユリ科) & ミヤマコゴメグサ(ゴマノハグサ科)
左:赤い実ががマイヅルソウ。緑の葉はミツバオウレン
右:ミヤマコゴメグサは亜高山帯~高山帯の草地に生える一年草
10:50 雷清水(標高1,930m)から山頂方向を望む。
雷清水付近か北方向を望む
ナナカマドは落葉し、緑の石楠花、赤の楓が所々に見える。
山頂方向は雲の中
やっと登った神楽ケ峰から、高度差にして約150m下る。鞍部はもうすぐそこ。
コメバツガザクラ(ツツジ科) & ミヤマホツツジ(ツツジ科)
花が終わり実がついている。
ウラジロナナカマド(バラ科)
葉も実もほとんど落ちているが、実が垂れ下がっていないことから”ウラジロナナカマド”だろう。
***** 11:45 苗場山山頂(標高2,145m)*****
11:40 山頂付近には池塘が散らばる湿原が広がる。中央奥に山頂小屋が見える。
”神々の田圃”を擁する不思議な山 見るものを驚かす”苗田”が広がる高層湿原の頂
山頂には高層湿原が広がる。今は草もみじだが、夏には高山植物の花が咲き競っていたことだろう。広大な草原に延々と木道が続いている。
11:45 苗場山頂(標高2,145m)
山頂は標識が発っているだけで、少し寂しい。この後ガスが広がってきて周囲を眺めることができなかった。広々とした高原の向こうにはきっと上州の山々が遠望できたことだろう。
全山紅葉というわけには行かなかったが、
黄葉のブナ林 紅葉のカエデやウルシ 咲き残っている花たちを楽しむことができた。
帰りは、登ってきた道を下る。
***** おまけ *****
皆既中の満月 (19:39 北陸自動車道 栄PA)
苗場山からの帰り、車から見た月の端がかけている。今日は満月なのにおかしいな、雲が出てきたのだろう、と考えながら進めていく。しばらくすると、”月食”が進みつつあるとの放送が聞こえてきた。
そうか、今日が皆既月食の日なんだと納得。
コンデジでの撮影で形は小さいが、赤銅色の月を撮ることができた。
ご訪問ありがとうございました。
高山植物、お詳しいですね^^
自分の場合は、ただでさえよく分かっていないのに、花が無くなって実になったらお手上げです。
by Mitch (2014-10-14 18:44)
おはようございます^^
同じ和田小屋からわたくしも昨年9月だったか10月だったかに登りました^^
お花が結構ありましたね。あの時はあまり見る暇もなく(なんと言っても団体だから)大して写せなかったです。
by mimimomo (2014-10-15 06:49)
紅葉と高山植物の残り花と果実、秋の山旅は魅力一杯ですね。
by g_g (2014-10-15 08:09)
股摺り岩、具体的命名ですね。
by 夏炉冬扇 (2014-10-15 08:28)
おはようございます。朝晩の冷え込みが一段ときつくなって、早朝ウオーキングがつらいです。
コメントありがとうござます。
Mitchさん:この時期の山は花がほとんど期待できないので、紅葉や黄葉、そして咲き残りの花と果実ですね。(名前を見誤ることも)
mimimomoさん:私たちも初めての山だったのと、9合目くらいからガスがたちこめてきたのとで少し急ぎました。
g_gさん:天候が少し心配になりました。山頂では周りを眺めることができませんでしたので、早めに下りました。行きと帰りに見える草花は、なぜか違いましたね。
夏炉冬扇さん:私も笑ってしまいました。
ご訪問ありがとうございます。
あんぱんち~さん
xml_xslさん
ゆるりさん
斗夢さん
makimakiさん
よしころんさん
侘び助さん
桃杏さん
水郷楽人さん
by michi (2014-10-16 06:55)
いやぁ、山はもう晩秋ですね。
こちらの11月中旬の景色です。
by Baldhead1010 (2014-10-16 20:15)