SSブログ

「室堂~五色ケ原」散策 (その1) [山を歩く]

11室堂平41雄山.jpg

立山三山 ~ 雄山-大汝山-富士ノ折立 ~ 」(立山室堂から見上げる)

7月29日~30日 梅雨明け宣言が発表されたばかりの7月末、立山室堂から五色ケ原を目指しました。ここは少し古いが、「花の百名山」(朝日新聞社、2004年6月20日号)に魅せられて、以前から行きたかったところ。今年は雪が多いとの情報があったが、仲間との時間が合わず、この日になってしまった。

12室堂平31大日岳.jpg

昨年9月21~22日に登った「大日連山 ~大日岳-奥大日岳~」を後にして「一ノ越」へ向かう。

予想通り、雪がたくさん残っている。お花畑が心配になってきた。

宜しかったら 続きをどうぞ ・・・ !!

20お花畑27立山室堂.jpg

「立山室堂に広がるお花畑」(後ろは立山三山)

「室堂山荘」を左手に見ながら、お花畑が続く。チングルマやコイワカガミ、ミヤマキンポウゲ、ヨツバシオガマなどが一斉に花開いている。(でも、心なしか花数が少ないような・・・・・?)

21イワイチョウ21.jpg

「イワイチョウ」(ミツガシワ科)

21イワイチョウ22.jpg

雪が消えたばかりの湿ったところに、イチョウの葉に似た青々とした葉を一斉に広げる。20~50cm位の花径の先に、白色の花を数個つける。

22ミヤマキンバイ1.jpg

「ミヤマキンバイ」(バラ科)

22ミヤマキンバイ2.jpg

雪田の周辺には、黄色の花があちこちに群落をつくる。

22ミヤマキンバイ3.jpg

ミヤマキンバイは、北海道や本州の中部地方以北の高山帯の砂礫地草地、雪田周辺に大群落を作ることが多い。高山帯のお花畑では、雪がとけ始めると赤や白、黄色や青、紫やピンク色などの花が一斉に開花する。

初夏の登山の楽しみの一つは、お花畑にある。

23一ノ越乗越.jpg

「一ノ越分岐 ~標高2,700m~」

室堂(標高2,450m)を出てから約250mを登ってことになる。ここまで約3時間。(写真を撮りながらなので、コースタイムの倍以上の時間がかかっている。ちょっとかかりすぎかな?)ここから道は右へ。

24一ノ越乗越13室堂平.jpg

一ノ越付近から室堂平を振り返る

25ウラジロタデ13.jpg

「ウラジロタデ」(タデ科)

25ウラジロタデ14.jpg

高山帯~亜高山帯の砂礫地や岩礫地に生える多年草。花は黄白色だが、咲き終わる頃には花序が赤網を帯びる。葉の裏が白っぽいので「裏白蓼」と呼ばれる。

26ウラジロナナカマド11.jpg

「ウラジロナナカマド」(バラ科)

 27ウラジロナナカマド12.jpg 27タカネナナカマド11.jpg

「ウラジロナナカマド & タカネナナカマド」(バラ科)

ウラジロナナカマドの花は上を向いて咲き、実になっても垂れ下がらない。しかし、タカネナナカマドは横向きから垂れ下がって咲く。(ミヤマナナカマドも垂れ下がらい)

28チングルマ12.jpg

「チングルマ」(バラ科)

28チングルマ13.jpg

チングルマはこの花だけで大群落をつくることが多く、雪のとけたあとの乾きやすい砂礫地に白色(中央には黄色の蕊があるが)がよく目立つ。緑と白・黄色のお花畑が広がる様は圧巻である「タテヤマチングルマ」を求めて今回の登山を企画したのだが、残念ながら見つからなかった。

前述「花の百名山」には室堂付近にもあると書いてあったが、今はもう絶えてしまったのだろうか。弥陀ヶ原にはあるとのことで、いつかそちらを歩いてみることにする

29龍王分岐下11雄山.jpg

一ノ越から龍王分岐に向かう尾根道で、後方立山雄山(3,003m)を振り返る。雄山は10数年前に通過していえる。(当時は剱山荘で一泊、「室堂~立山三山~剱岳~室堂」というコースで回っている。)

30龍王分岐13剣岳.jpg

龍王分岐まで上がると、立山三山の後方に剣岳(画面中央 2,998m)が顔を出す。

31龍王分岐14雄山・針ノ木.jpg

龍王分岐から眺める 雄山(画面左手) & 後ろ立山連峰~針ノ木岳~(画面右手奥)

33お花畑11龍王分岐.jpg

龍王分岐付近のお花畑

*****  ツツジ科の仲間たち *****

35ハクサンシャクナゲ14.jpg

「ハクサンシャクナゲ」

36ハクサンシャクナゲ12.jpg

低地のシャクナゲ(もちろんセイヨウシャクナゲも)に比べて派手さはないが、薄ピンクの花は緑の中な清楚なに感じがする。高山帯のハイマツ林の中に混在していることが多い。

37ニッコウキバナシャクナゲ11.jpg

「ニッコウキバナシャクナゲ」(?)

37ニッコウキバナシャクナゲ12.jpg

ハクサンシャクナゲとキバナシャクナゲの交配種らしいが、詳しくは・・・・・?

38コケモモ11.jpg

岩の隙間に張り付いている「コケモモ」

38コケモモ12.jpg

大雪山のコケモモに比べて花の色が薄いのではないだろうか?

38コケモモ21.jpg

濃い色の花をを探してみたが、せいぜいこのくらいであった。やはり薄い・・・!!

39クロウスゴ1.jpg

「クロウスゴ」

39クロウスゴ3.jpg

この ”ツツジ” は岩のわずかな隙間に入り込んでいる。実付きは決して良くない。わずかな隙間を見つけて根を張り、花を咲かせ、実をつけている。でも、きっと何かの生き物のエサになっているのだろう。

40ツガザクラ1.jpg

「ツガザクラ」

40ツガザクラ2.jpg

ツガザクラ属の仲間では3種類が分布しているようだ。ツガザクラとアオノツガザクラ、両者の雑種であるオオツガザクラの3種。種間雑種ではいろんな段階の花があるように思える。

41アオノツガザクラ1.jpg

「アオノツガザクラ」

41アオノツガザクラ2.jpg

これはアオノツガザクラの典型的な花かもしれない・・・?

42オオツガザクラ1.jpg

「オオツガザクラ(?)」

花冠は若干赤みを帯びた白色で細長い壺型。萼は有毛。これはアオノツガザクラなのかな・・?

43アカモノ12.jpg

「アカモノ」

このほかのツツジ科としては、ウラシマツツジやミネズオウなどがあったが、花はみられなかった。

***** ***** ***** ***** *****

50お花畑25獅子岳登.jpg

獅子岳の下りのお花畑

前方に五色ケ原と鷲岳、鳶山、そしてその向こうに薬師岳(右端)、遠くに北アルプスの笠ケ岳、槍ヶ岳などが顔を見せてきた。お花畑は狭く、花の種類は僅かだ。(ピンク:コイワカガミ 白:チングルマ)

51コイワカガミ1.jpg

「コイワカガミ」(イワウメ科)

51コイワカガミ12剱岳.jpg

剱岳、雄山を眺める尾根道のお花畑。乾燥した草地にコイワカガミのピンクだけが目立つ。

51コイワカガミ15.jpg

こちらはやや湿った草原。後ろにハイマツの林。コイワカガミが咲き始めたところのようだ。

52コガネイチゴ11.jpg

「コガネイチゴ」(バラ科) 葉はよく見ると深い切れ込みのある3枚。

53ヤマハハコ21.jpg

「ヤマハハコ」(キク科)

55タカネヤハズハハコ12.jpg

「タカネヤハズハハコ」(キク科)

55タカネヤハズハハコ13.jpg

立山連峰には「ミネウスユキソウ」が分布しているということだが、今回はウスユキソウ属の仲間には会うことができず、ヤマハハコ属の2種だった。タカネヤハズハハコの花(総苞)の下部が赤みを帯びているのが印象的だった。


99龍王分岐33.jpg

 宿泊地 ~ 五色ケ原山荘 ~が見えてきた(「龍王分岐」付近より)

暑い日でした。顔中が真っ赤に 明日も晴れてほしい・・・!

           手前左端:鬼岳(2,750m)と獅子岳(2,714m)

           中間右端:五色ケ原(平坦な部分)と鷲岳(2,617m)鳶山(2,616m)

           奥 右端:薬師岳(2,926m)

           最も奥中央:笠ケ岳   左:槍ヶ岳・穂高岳


***** おまけ ・・玄関前 8月14日・・ *****

玄関前0814.jpg

8月に入って、中庭からは花が消えてしまった。かろうじてこんな”花”が、今の玄関前を飾っている。

ギボウシ0814.jpg ハツユキカズラ0814.jpg

「ギボウシ」         「ハツユキカズラ」
 
 


次回 室堂~五色ケ原」散策 (その2)へ 続きます

ご訪問ありがとうございました

  


タグ:2608
nice!(28)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 28

コメント 14

Baldhead1010

雪の残る高山の景色、高山のお花、あこがれますね。

アガパンサスの色のぼけているのは、手前に花を持ってきて、ぼかして水色のフィルター代わりにしたものです。
by Baldhead1010 (2014-08-15 10:40) 

OJJ

立山周辺もこの時期だとこんなにたくさんの花が咲いているのですね~
今まで数回、立山縦走していますがi一の越は通過点で(浄土山が三山の一つと知らなかった)この次は五色の方へ行きましょうか・・
by OJJ (2014-08-15 10:49) 

michi

おはようございます。長い”夏休み”から復帰します。でも、中庭には花が少ない。どこかへ・・・と考えています。

コメントありがとうございます。
Baldhead1010さん:撮影のテクニックありがとうございました。「水色のフィルター代わり」なんて気が付きませんでした。その手があったんですね。

OJJさん:もっときれいなお花畑を期待していたんですが、期待どおりは天候だけでした。”立山三山” でしたら、 雄山-大汝山-富士ノ折立の3つですが、浄土山は違うようですね。

ご訪問ありがとうございます。
makimakiさん

tochiさん

xml_xslさん
by michi (2014-08-15 11:04) 

シラネアオイ

こんにちは!
今年は高い山は無理かな?!
9~10日は娘、息子が孫を連れて夏休みを
騒がしい時を過ごし、11~13日は300㎞離れた墓参り、
翌日は息子の嫁の実家へ250㎞そこから300㎞帰宅
いささか疲れた盆休みでした!!
by シラネアオイ (2014-08-15 11:30) 

mimimomo

こんにちは^^
五色が原と言うのはどの辺りかしら。地図にはその名が見当たらなくて。
お花が沢山ですね。やはり行く時期を選ばないといけないのですが、今回立山行きは家族旅行。息子の休みに合わせるので、こんなお花は見られないわ(--クスン
by mimimomo (2014-08-15 11:46) 

旅爺さん

この様に山に登って風景や花々を楽しんでこられたなんていいですね。
室堂は1度行ったきりですが、いろんな花が見られる良い所なんですね。
写真を見てるとまた行きたくなります。
by 旅爺さん (2014-08-15 12:09) 

g_g

高山植物もたくさん見られたようですがすばらしい天候に恵まれ
展望が素晴らしいですね。
by g_g (2014-08-15 12:24) 

yakko

こんにちは。
高山植物は山に登ってこられた方へのご褒美ですね。
こんな素敵な花々に出会うと疲れも吹っ飛んでしまうでしょう(^0^;)
by yakko (2014-08-15 14:12) 

夏炉冬扇

空が青い。
花もいい。
雨です。
by 夏炉冬扇 (2014-08-15 17:39) 

michi

こんばんは。待望の雨が少しきています。

ご訪問&コメントありがとうございます。
シラネアオイさん:息子さん一家との楽しい団らんもすてきではありあせんか。我が家の息子夫婦は、今年の夏は台風で散々な様子でした。

mimimomoさん:五色ケ原は室堂から薬師岳のほうへ行く途中です。もう少し花を期待していたんですが、時期が若干合わなかったのかもしれません。

旅爺さん:春も秋も楽しめるところですね。もちろん室堂周辺の山々も素晴しく、楽しめる山です。

g_gさん:天候がやかったですね。梅雨明けの大雨も心配していたんですが。(午後の気流の変化はありましたが)

yakkoさん:でも、やっぱり疲れました。年々つらくなります。

夏炉冬扇さん:帰ってきてからの台風による雨、そしてまた晴れ。さらにこれからも雨が続きそうです。畑にはよかったんですが、続くとなると・・・・?

ご訪問ありがとうございます。
okinーo2さん

めもてるさん

グリーンさん

さらまわしさん

あんぱんち~さん

よしころんさん


by michi (2014-08-15 19:34) 

ひろたん

なんどかここは行きますけど
ゆっくりしたことがありません。
素通りです。お花をゆっくり見たいですね。
それより以前に名前を憶えないと^^;
by ひろたん (2014-08-16 15:31) 

ゆきゆき

娘が富山で勤務していたときに室堂に行ったことがありました。もう20年前のことです。
by ゆきゆき (2014-08-16 16:07) 

michi

こんにちは、今も雨が降っています。降れば続くし、晴れても続くし。ちょうどいいなんてことにはならないもんでしょうかね、今年の天気は。

ひろたんさん:実は私も、名前を覚えられなくなって困っています。何度も、何度も先生に聞き直しているんです。そのうえ撮った写真も見てもらって、再度名前を確認しているんです。

ゆくゆきさん:昨年は秋に室堂~大日岳~称名の滝と回って、秋の室堂平と剱を眺めてきました。また行きたいと思っています。

ご訪問ありがとうございました。
斗夢さん

けいなうさん

ぶらり爺さん

ふーみんさん

水郷楽人さん

Mitchさん



by michi (2014-08-17 11:22) 

せつこ

立山は雄大ですよね、以前8月半ばに登りましたが寒かったですよ。
一の越分岐でゴアテックスを着たことを思い出してます。
大汝山まで行き引き返しましたけど。
by せつこ (2014-08-17 13:45) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。